クエスト62[十二個目の世界]
現在の能力値 スキル
筋力340(+60) 『加速』Level Max
『貫通』Level8
体力300 『隠密』Level4
『ダメージ軽減』Level Max
俊敏360 『影のインベントリ』
『多段刺突』Level3
魔力1050(350×3) 『断撃』Level6
『ミニスライム兵』Level2
『ポインター』Level2
『風刃』Level5
『天穿風牙』Level5
継承スキル 『生命の息吹』Level Max
『氷結魔法』Level Max
『天秤』Level Max
『肉体強化』Level Max
『爆散』Level Max
『万毒』Level Max
『硬化』Level Max
『リミットブレイク』Level Max
『未来視』Level Max
『結界術』Level Max
『反転』Level Max
称号【ナイトキラー】【配下との絆】【継承者】
ゲートを抜けた先にあるのは岩だらけの暗い地だった。
植物が見えない。
恐らく地球ではないな。
だとしたらここがアルタイム兄さんが言っていた12個目の『世界』なのだろうか。
幸いな事に呼吸は出来るし、今のところ体に目立った症状もない。
俺は目的地もなく、ただひたすらにゆっくりと歩き始めた。
ズズズズズ…
その時、闇で見えにくいが、地面から何かがハイがるような音がした。
俺は短剣を装備し、魔力探知を行う。
1、2、3…10…15…
何らかの生物の数はみるみるうちに増えてゆく。
「…これは、モンスターか?」
ゴブリン、スパイダー、ゴーレム、アンデッド、さらにはオークメイジ、ケルベロス、リッチと思われる奴も検知した。
ランクは様々だが、ボス級のやつと思われるのも数体いる。
「モンスターはここで生まれたのか…」
恐らく、ゲートはこの世界と、もう一つの俺達がダンジョンと呼ぶ中間地点と、俺達のいる世界を繋いでいるんだろう。
「…バレたな。」
ボス級の奴らがこっちに殺気を出した。
直に手下のモンスターたちも動き出すだろう。
ならば気配が強い奴らから先に殺す。
強い踏み込み、首を狙った一撃必殺、それを永遠と繰り返す。
モンスターを狩り尽くすまで。
程なくしてモンスターの湧きが止まった。
そして再び歩き出す。
モンスターが湧いたら倒し、また目的地のない旅を続ける。
レベルアップし、振り分け、また更にモンスターを倒す。
そして、徐々に心が無になっていく。
まるで闇に心が侵食されるように。
…もう、どれほど経ったのだろう。
ここに居ると何故かお腹も空かないし、眠くもならない。
時間が分からなくなってきた。
もう、飽きてきた。
家に帰りたい。
別に、モンスターのレベルが低いわけじゃない。
むしろ上がっている気がする。
S級モンスターも勿論湧いている。
普通のS級ハンターならもう既に無限に湧くモンスターの強さに心も体も限界だろう。
しかし、俺はレベルアップをする。
倒せば倒すほど、よりモンスターが弱くなる。
S級2体同時討伐?
そんな物、5秒で片付く。
俺の精神が徐々に削られてきた時、ある物を見つけた。
遠くからでも分かる。
明らかに次元が違う3つのオーラ。
「…見つけた。」
間違いなくこちらの関係者だ。
「シュヴァリエ!」
俺は、走りながらシュヴァリエを呼び出し、そこを一心不乱に目指す。
退屈している時に現れる強者は削れていた精神を一瞬にして回復させた。
近付く度に気配を発する者の全貌があらわになる。
「ッ…!」
あぁ…世界はなんて残酷なんだ。
俺は斬りかかろうとするシュヴァリエを制止し、影に戻るように指示した。
そして、そのオーラを放つ者の顔を見つめる。
今すぐにでも逃げ出したくなった。
元々アルタイム兄さんから予告はされていた。
でも、間違いであってほしかった。
しかし、その者たちが持っている武器がこれを真実だと告げた。
忘れもしない。いつも見ていた剣だ。
その武器は2つで1つの双剣。
しかし、双剣が重いという理由から夫婦で分けて使っていた剣。
「…父さんッ!…母さんッ!」
そこにはかつての父と母の面影が残らない『モンスター』が居た。
もう何年前だろうか。
うちの玄関の靴が4種類から2種類だけになり、俺が働くようになり、彩が暗くなり殆ど笑わなくなり、いつも家に気まずい空気が漂い始めたのは。
『助ける方法は、今のところない。』
随分前に聞いたこの言葉が異常な程精神を削る。
俺が諦めて短剣を握ろうとしてきた時、何処からか声がした。
「おい!なんでお前みたいなのがここにいる!」
声がしたのは上からだった。
見上げると、謎の人影がそこにはあった。
なんで忘れてたんだ!
気配は2つだけじゃない。3つあった!
まずい!まずい!
二人だけでもキツイのに三人に囲われたら流石に人数不利だ!
俺は急いでシュヴァリエを呼び出す。
影に戻したり、呼び出したりと面倒で申し訳ない。
「おい!そこのお前!俺を手伝え!」
そこにいた影は、敵対するわけではなく、協力を求めた。
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