クエスト60[巨人との戦い・後編]
現在の能力値 スキル
筋力290(+60) 『加速』Level7
『貫通』Level4
体力280 『隠密』Level2
『ダメージ軽減』Level8
俊敏310 『影のインベントリ』
『多段刺突』Level2
魔力810(270×3) 『断撃』Level2
『ミニスライム兵』Level2
『ポインター』Level2
『風刃』Level2
『天穿風牙』Level2
継承スキル 『生命の息吹』Level Max
『氷結魔法』Level Max
『天秤』Level Max
『肉体強化』Level Max
『爆散』Level Max
『万毒』Level Max
『硬化』Level Max
『リミットブレイク』Level Max
『未来視』Level Max
『結界術』Level Max
『反転』Level6
称号【ナイトキラー】【配下との絆】【継承者】
「来い!シュヴァリエ!」
影の中からシュヴァリエを出す。
足に攻撃した時に魔法だけだと威力の減衰が酷かった。
しかし、魔法を二つ使うと武器が持てなくなる。だからシュヴァリエに斬ってもらってそこに魔法をぶち込む。
前回は、武器が使えなかった関係で、シュヴァリエに頼ることができず、少し拗ねられてしまったからな。
今回は、全力で頼りにさせてもらう!
「行くぞ!シュヴァリエ!」
「剣技!飛撃!」
「アイスバレット!ファイヤーランス!」
膝をついた巨人は左腕で、剣技を受け止めた。
シュヴァリエの剣技はスキルてんこ盛りで撃った俺の一撃と遜色ないものだった。
間違いなく肉が見えている。
そこにアイスバレットと、ファイヤーランスをほぼ同時に着弾させることにより、爆発を起こす。
それに続き、万毒の腐敗毒を付与したアイスバレットを撃ち込み、左腕を時間経過で完全に奪う。
「飛撃!」
「シュヴァリエ、ナイス!」
左腕に違和感を感じたのか傷を抉ろうとしていた右手の親指をシュヴァリエが斬り落とした。
傷を抉ろうとするとは、勘が良いな。
巨人にも野生の勘が存在するのだろうか。
「シュヴァリエ!首!」
「飛撃!」
「アイスバレット!ファイヤーランス!」
首に入った傷に魔法を撃ち込む。
この後も、同じ事を全身に繰り返した。
〜九分後〜
巨人の体は傷だらけになり、左腕も腐って落ち、もうまともに動けそうではなかった。
しかし、こっちもスキルを温存して動き回った関係で、そろそろ疲れが溜まってきていた。
「まだなのか…」
その時、巨人がついに血を吐いた。
「ついに回りきったか!」
俺達が首につけた傷。
そこに追撃で打ち込んだ氷にも万毒が付与されていた。
その毒の名は『衰壊』。
この毒の能力は、打ち込んだ生物を徐々に弱らせるものだ。そして、弱らせると同時に体中の細胞を少しずつ蝕む。
全身を少しずつ少しずつ蝕むため、他の毒に比べて効果が出るまで時間がかかる。
しかし、その効果が出たら最後、もう末期の状態なので手のうちようがない。
再生でもしない限り治せないのだ。
今回はとても大きい体だったから効果が出るかは怪しかった。
だが、効果が切れるギリギリのタイミングで、効果が現れた。
これならあと一発で終わらせられる。
「頑張ったな。もうこれで、最後だ」
そう言って俺は右腕を上に掲げた。
「焔轟。」
巨人の上空に突如大きな炎の玉が現れる。
それがモンスター目掛けて落ちる。
俺も危ないので避難をする。
「対魔結界・穴熊!」
…ドカン!
外からは爆音が聞こえてくる。
「今回は凄く苦しめたな…」
いつもが苦しくないとは言わない。でも、今回は時間がかかり過ぎた。
「クランタ兄さん、交代します。」
そう言って、結界を解いた。
「クランド、見えるか?俺だ。」
だが、気が付かない。
全身を弱らせた関係で気が付けないのだ。
クランタは懸命に呼びかけた。
「クランド、俺だ。クランタだ。」
それから三分は過ぎただろう。
いくら生命力が強い巨人でも、もうそろそろ死ぬ。
「…ゆっくり休め。クランド。」
そう言って、去ろうとした時だ。
「兄…ん」
クランドが喋った。
しかし、それ以降は何も反応がなかった。
そして、死んだ。
たいした会話もできずに。
『レベルが10アップしました。』
俺が体の主導権を取り戻したあともデカすぎたせいで回収することもできず、思いっきり燃やして灰にする以外できることがなかった。
今までで一番後味が悪い戦いになった。
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