クエスト6[舞い戻れD級ダンジョン]
現在の能力値 E級の平均上限値 スキル
筋力60 筋力22 『加速』
『貫通』
体力20 体力20 『隠密』
俊敏25 俊敏23
魔力30 魔力40
E級ダンジョンをクリアした後もう20か所近く周り、レベルは9になっていた。これにより、160cmしかなかった身長が180cmまで延び、スキルには新しく『貫通』と『隠密』が加わった。どうやらスキルがもらえるのは3回に1回程度らしい。しかし、『隠密』は消費魔力が多すぎるため、今はまだ使えない。
そうして筋力値だが念願の60ポイントになった。今ならゴブリンアサシンも素手で殴り倒せる。
そうしてシステムが筋力値が50になった段階で『次に上限を開放する能力値を選択してください』という通知を出した。俺は迷わず魔力を選択。色々調べたところ管理局ではランクを魔力で見ているらしいので、まずは魔力を上げ、俊敏、体力の順にあげようと思う。
そうしてレベル9ともなると、E級ダンジョンではレベルアップが難しくなってきた。だから今からD級ダンジョンに入る。今回は、メンバーの募集がかかっていたので、そこにお邪魔しようと思う。
「もしかして…赤月くんじゃないか?」聞き覚えのある声がした。
「斎藤さん!」そこには右足に義足を履いた斎藤さんが立っていた。
「まだ、あの時から半年ほどしかたっていないのに…成長期かい?」
「ハハハ…多分そんなもんです。」筋力値がC級ほどあるなんてのは口が裂けても言えない。
「しかし、今更ながらだが謝らせてくれ。あのダンジョンの時、君が一番弱かったのに、助けに行けなくてすまなかった。大勢死なせてしまった。私はリーダー失格だ。」斎藤さんは深々と頭を下げた。
「頭を上げてください。それにダンジョンはC級だったし、斎藤さんは三上さんを守りながらだったじゃないですか。」
「しかし、大勢を死なせてしまったのも事実だ。謝らせてくれ。」斎藤さんはもう一度頭を下げた。
後でわかったのだが、三上さんは恐怖から引退し、地元の愛知に帰ったらしい。
そうして今回のパーティーだが、D級下位のダンジョンということで、5人で攻略するらしい。
「こんにちは。」元気な青年が話しかけてきた。
「僕の名前は南田 翔太。君、E級なんだって?僕はD級だから君のことを守ってあげるよ!」…なかなかムカつく言い方である。俺、腕相撲多分お前より強いからな?などと思いながら返事をした。
「あ、あぁ。赤月 亮だ。よろしく。」こいつ、どこかで見たことある顔な気がしてきた。
「俺はこのパーティーのリーダーをするC級戦士系の水井だ。よろしく。」…暑苦しいサークルの先輩みたいな感じの人だ。…だが、嫌いではない。
「E級戦士系の…伊達です。…よろしくお願いします。」どうも彼は内気な性格のようだ。
「それではダンジョンに潜ろう!」
僕らはこの時、こんなに残酷な事件が起こるとは夢にも思っていなかった…。
「このダンジョンは蜘蛛のダンジョンらしいな。」斎藤さんが頭上の蜘蛛の巣を見ていった
「そうですね。僕、蜘蛛嫌いなんですよ~。」こんな雑談をしていると、
「来るぞ!」水井さんが叫んだ。
奥の一本道からカサカサと音を立て這い寄ってくる。やっぱり蜘蛛は嫌いだ。
この前の20個のE級ダンジョンのほとんどの利益(30万ほど)を使って買った短剣を構える。やはり、装備は高い。
俺がいまだに防具をつけていないのも買うお金がないからだ。…そう考えると、南田くんはD級にもかかわらず胴装備に足装備、剣に盾…多くの装備を持っている。多分家が金持ちなのだろう。あ~羨ましい!
とりあえず蜘蛛を殺す。ドロップ品は魔晶石か、これ一個で5万はする。
やはりE級とD級は儲かり具合が違う。
『経験値100獲得』まじかよ!経験値までE級とは比べ物にならない!これならすぐにレベルアップができる!
胸に期待を抱きながら俺たちは奥に進んでいった。
[第7話に続く]
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