クエスト53 [撃破のその後]
〜その頃アメリカ〜
小型なモンスターの身体からは考えられないくらい強い力と、瓦礫などを加工して、直ぐに生成される不滅のハンマーのせいで、S級が3人いても、刃が立たなかった。
現在は、たまたま倒れた建物の中にあったバーに興味を持ち、S級そっちのけで、片っ端から酒を飲んでいる。
こんな舐めプをされたとしても、何もできないほどにボロボロだった。
厨二病が厨二病発言をしなくなるほど。
脳筋が何も言えなくなるほど。
無口なやつが絶望の感情を表に出すほど。
ボロボロにされたS級三人の前に居るのは7の数字を腕に刻んだモンスター。
本部の方でさすがにヤバいと判断され、追加で5人ほど投入されそうになった時、モンスターが久々に動いた。
モンスター出現から約3時間。
なんとゲートの方向に帰っていったのだ。
全員がなぜ帰ったのかが分からなくて、唖然としていたが、絶望的なモンスターの襲来は、S級三人の全治1年半の大怪我と、都市一つの壊滅という、最悪の状況からしてみれば、まだマシな結果に終わった。
〜ヨーロッパ〜
ヨーロッパではその後も大量の殺人事件が起きた。
死因はすべて首が跳ねられたこと。
犯行はフランス・ドイツ・イタリアなど、ヨーロッパ全域に及んだ。
現れたとしても、A級ですら瞬殺され、逃走される。
被害数は驚異の37564人。
自分の通り道にいる邪魔な者をすべて殺しているようで、見えはしないが、逃走ルートは追うことができた。
しかし、倒せる可能性があるS級が出会う確率はかなり低く、モンスターの処分は絶望的に思えた。
ゲートが現れてから約9時間後、ゲートを見張っていたA級ハンター3人が皆殺しにされ、ゲートが消える事件が発生。
その後、モンスターの犯行は消え、消息不明となった。
〜オーストラリア〜
ゲートの前に出現した三つ目のモンスターは近づくと、石化するため、S級でも誰も対処できなかった。
しかし、その場から動く気配がなかったため、ドローンによる二十四時間体制の監視がされた。
監視が開始されてから約6時間後。
モンスターがゲートの中に戻り、ゲートが消えたことが確認された。
しかし、石にされた者が戻る気配はなく、現在は、政府の下、研究機関が開発され、S級のヒール魔法や、あんまり意味はないかもしれないが、科学の力も使い、研究が進められている。
〜ロシア〜
唯一ハンターだけではなく、軍の力も導入し、殲滅に入ったロシア。
軍の誘導により、巨人周辺の人間の避難に成功した。
そして、ハンターが攻撃を仕掛けた時、巨人の髪が逆立ち、大きく開けられた口から破壊光線のようなものが発射され、山と、近くにあった軍事基地が消滅。
S級ハンターの攻撃でも、目に見えた効果ないことが証明されたので、ハンターは撤退。
軍がミサイルでの攻撃を開始。
目などに当たれば効果はあるのかもしれないが、当たらなかったので、そこまでの成果はなく、無人のドローンを活用し、ミサイルの発射や、監視を続行。
モンスター出現から約4時間後、ゲートにモンスターが戻り、ゲートが消滅。
これにて、大規模侵攻は収まった。
では、モンスター達はなぜ帰還したのか。
理由は三つ。
それは日本の円柱が破壊されたからと、アメリカの奴が瓦礫でふっ飛ばされて抜けたからと、ロシアのやつが踏み壊されたから。
結局、言われた通りに守れたのはヨーロッパと、オーストラリアのだけ。
これにより、結界が発動できなくなり、戻されたのだ。
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