クエスト52[炎の中に]
現在の能力値 スキル
筋力250(+60) 『加速』Level5
『貫通』Level4
体力240 『隠密』Level2
『ダメージ軽減』Level5
俊敏310 『影のインベントリ』
『多段刺突』Level2
魔力780(260×3) 『断撃』Level2
『ミニスライム兵』Level2
『ポインター』Level2
『風刃』Level2
『天穿風牙』Level2
継承スキル 『生命の息吹』Level Max
『氷結魔法』Level Max
『天秤』Level Max
『肉体強化』Level Max
『爆散』Level Max
『万毒』Level Max
『硬化』Level Max
『リミットブレイク』Level Max
『未来視』Level Max
『結界術』Level Max
『反転』Level3
称号【ナイトキラー】【配下との絆】【継承者】
『反転』
この言葉を言い、触れた。
途端にモンスターの身体からは緑のものが大量に出てきた。
それらが俺の身体に入る度に回復が発動できるようになり、調子が戻ってくる。
さらに敵の攻撃力が徐々に下がっていって、形勢が逆転する。
モンスターは困惑しているようだった。
いきなり魔力が無くなり、確実にあと一歩のところまで追い詰めていたはずのやつが回復なんてしたら絶望者だろう。
だが、こちらも万全なわけではない。
奥義も使ってしまったからデバフが掛かってるし、奥義ももう使えない。
しかも氷の耐性持ちだから主要な攻撃の全てが封じられている。
魔力も回復したし、溶かされる心配もないから時間をかければ倒せなくはない。
でも、レイス姉さんの家族だからこそ長い時間をかけて苦しめたくない。
なるべく早くカオスを取り除き、再会させてあげたい。
肉体は残さなきゃいけないから『爆散』は却下。
硬化も決定打に欠けるからあんまり使いたくない。
でも意外と腹を爆散でふっ飛ばしたとしても耐えられるか?
いや…前回は再生持ちだったから耐えられただけだ。
あくまで身体は俺たちと変わらない。
身体が大きか欠損すれば数十秒しか持たない。
けど…話せれば大丈夫か?
いや…軽傷にすると、カオスが死滅しなくて、余計に苦痛を与える可能性がある。
…仕方ない。前回のアルタイム兄さんのやり方を真似しよう。
焼かれるのはかなりの苦痛だと思うが、絶対に倒せてかつ、喋れる時間が確保できそうな方法がこれしか思いつかなかった。
俺は決意を固め、構える。
「氷結魔法・反転」
右手の中にできていた氷が赤く染まり炎へと変貌する。
これが俺がコルン姉さんとの修行中に編み出した新技。
『業炎魔法』
打撃や移動とは関係ないからデバフの効果は受けないし、魔力は回復したから問題無い。
後は足止めをするだけだ。
「鎖封陣」
空いている左手の指を鳴らすと同時にモンスターのしたには紫の空間が広がる。
モンスターは何かを察知したのか逃げようとした。しかし、もう遅い。
指定された半径3メートルほどの範囲から無数の鎖が出てきて、腕を、足を、胴を固定していった。
これがアルタイム兄さんのお兄さんみたいに再生持ちだったらあまり役に立たなかっただろう。
しかし、相手は魔力がもう無い。
前みたいに結界が溶かされて無効化される心配はない。
「もう、終わりにしましょう。レイス姉さんが待ってます。」
そう言って俺は右腕を上に掲げた。
氷結魔法では隙がでかすぎるので使ったことがないのだが、今回は隙ができても問題がないから使おう。
範囲攻撃としてはこれを上回るものはない。
氷を落とすだけのシンプルな技を炎の玉に変える。
「焔轟」
ビルの屋上くらいに突如大きな炎の玉が現れる。
それがモンスター目掛けて落ちる。
しかし、俺も危ないので避難をする。
この感じだと…着弾まで8秒!
「対魔結界・穴熊!」
そう言って指を鳴らす。
そうすると、周りを茶色い結界が覆い始める。
これは魔法攻撃特化の防御結界。
この結界なら魔法攻撃だけは何があっても通さない。
…ドカン!
外からは爆音が聞こえてくる。
俺は結界を解き、外に出た。
ビルが2本くらい吹き飛んでいた。真ん中に半径10メートルくらいのクレーターが広がり、その真中に黒焦げになったレイス姉さんの家族がいた。
「レイス姉さん、交代です。」
そう言うと、俺は意識を失い、代わりにレイス姉さんが身体の主導権を握った。
そして、直ぐに近寄る。
まだ、黒いのが出てる。
もう殆ど力は無いな。これなら会話は出来るだろう。
…治したい。今治したら助かる…けど、カオスも治るから治せない。
悔しい気持ちを抑えてレイスは語りかける。
「ロイ、分かる?お姉ちゃんだよ?」
「…声…違…ない…?」
「他の人の身体を乗っ取ってるんだよ。」
「ハハ…姉ちゃ…らしい…」
「助けられなくてごめんね。こんなお姉ちゃんでごめんね。」
私は弟を助けられずに弟に倒された。
あの時、もっと強ければ、ロイをもっと早く解放してあげられたのに…
「ね…ちゃ…ん…あり…が…と…」
そう言ってもう話さなくなった。
黒いのはもう出てない。
「…亮、代わるよ。」
そうして身体の主導権は俺に戻った。
俺はシュヴァリエにお願いし、ロイさんを入れさせて貰った。
今度、必ず何処かに埋めよう。
歴代達のところに戻ったレイス姉さんは暗かった。
そんな時、コルン姉さんが声をかけた。
「レイス、よく頑張ったね。」
その時、レイス姉さんはコルン姉さんに抱きつき、皆に見守られながら泣き叫んだ。
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