クエスト47[デート・ダンジョン]
今日は新技の練習を少しサボって、朝四時に起きました。
理由は簡単だ。
今日がデートの日だからさ!!
だから今日は早く起きた。
ここ数日の間にB級ダンジョンをクリアしておいたので当面の資金は心配いらない!
俺はウキウキで準備を始めた。
「そろそろ、行こうか。」
「そうだね。」
「じゃあ、行ってきま〜す」
「いってらっしゃーい」
9時頃俺たちはデートに出かけた。
ちなみにシュヴァリエは彩とお留守番だ。
「遊園地楽しみだね。」
「そうだね。」
柚月は遊園地に行ったことがないそうだ。
楽しんでもらえると良いね。
ちなみに有名人の俺は変装している。とは言っても伊達メガネをかけ、帽子を被っただけだがね。
「ここが遊園地か〜。何乗ろうかな。」
「とりあえず全部乗ろう!」
そう言ったは良いものの、乗ってみるとそこまでだった。
お化け屋敷は気配が分かり易すぎて微塵も驚かないし、ジェットコースターは遅すぎて景色を楽しむ余裕もあった。
…遊園地ってもしかして、S級からするとつまらなかったりするか…?
お昼ごろになり、俺達は店の中に入ってご飯を食べていた。
「…一通り回ってみたけど、始めての遊園地はどうだった?」
「ちょっと物足りなかったかな。」
「だよね。ごめん。
C級ハンターくらいまでなら楽しめるんだろうけど。
俺たちには刺激が弱かったね。」
「でもね。観覧車?あれは良かったな〜。」
「そう?」
「あれだけの高さはそうそう見られるものでもないし、2人だけでゆっくりできたからね。」
「そ、そう?なら良かった。」
この時俺は凄くニヤけた顔をしてただろう。
だって嬉しいもんね?
恋人と2人きりが楽しかったなんて言われたら。
その後は希望通りに観覧車にもう一度乗って、ちょっとしたお揃いのキーホルダーを買ったりして凄く充実していた。
しかし、この良い感じの雰囲気は嫌な気配によってぶち壊された。
微かに感じる高濃度魔力。
「…何だ?この魔力…」
「変だね…」
俺達は変な気配がするところの中心に向かった。
変なことに巻き込まれるのは勘弁してほしいが、もしかしたら俺関係の奴が来ているかもしれない。
そうなったらこの辺がヤバいことになるから俺も見に行かないわけにはいかないのだ。
そこは遊園地から少し離れたところにあった駐車場の端っこだった。
「…ここだね。」
「…なんだろう?」
その時、ある一点から爆発的に魔力が飛び出し、突風を引き起こした。
そして、俺達はそれに巻き込まれた。
「キャ…!」「ク…!」
「…何処だ?」
「…ここ、ダンジョンじゃない?」
そこに現れたのはフィールド型ダンジョン。
モデルは…あそこの遊園地か。
「へ〜。ダンジョンってこんな感じで出来るんだ。」
「びっくりだね。」
「それにしてもフィールド型なんて珍しいな。」
「そうだね。」
俺が初めてみたフィールド型はシュヴァリエがいたところだ。
あの時は敵がうろちょろしてたし、クエストが出たからクリア条件が分かりやすかったが、今回はクエストがないから攻略方法が分からない。
しかも柚月もフィールド型は初めてだというのだからマジで何も分からない。
困ったな〜。
もっと色々勉強しておくんだった。
その後、しばらく入口周辺をぶらついていたら突然ピエロが飛び出してきた。
慌ててそれをぶった斬る。
すると爆発が起こった。
同時に柚月に抱きつき身体で庇う。
「…大丈夫?」
「…え?う、うん、大丈夫、大丈夫」
柚月は顔を真っ赤にしていてなんだか恥ずかしそうだな。
…それにしても、冷静になるとこれは…凄い状況だ。
何がとは言わないが当たっている。
これは…離れたほうが良いのでは?
「ご、ごめん!」
「べ、別に良いよ…」
そんなことをしている間にまた陰からピエロがでてきた。
全く、これはどういうダンジョンなんだよ!
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