クエスト45[大人の自由研究]
…現在俺は夜ご飯を作ってるのだが、何かすごい見られている。
柚月は邪魔にならない範囲で隣に来るし、普段絶対部屋にいる彩がカウンターでスマホをいじりながらもチラチラこっちを見てくる。
…何だかムズムズするな。
「あの〜柚月さん?何でそんなに見てくるんですか?」
「…え?いや…なんか…カッコイイな…と…」
「…」
「…」
言った方も言われた方も恥ずかしくなって黙ってしまった。
新婚…いや…付き合い始めたばかりのカップルはこういう気持ちなのだろうか。
そしてその後も似たようなことがちょこちょこ有り、その度に二人とも真っ赤になってモジモジしてしまった。
そしてそれをもどかしそうに見ている妹が一人。
恋愛経験がないが、恋愛漫画を読む妹からしてみれば、「コイツラは何を日和ってんだ。」としか思えないのであった。
「ヤッホ〜」
もうこれも恒例行事だな。
「こんばんは、アルタイム兄さん」
「さぁ早速、昨日の続きだ。」
俺は氷で固定される。
しかし、ずっと繰り返していたせいか今日は少し余裕がある。
「少し質問良いですか?」
「うん。良いよ。」
「この力を手にしたあのダンジョンは何だったんですか?」
「あ〜あれね。多分試練か何かなんだろうね。
もしかしたら、モンスターになる前の最後の景色を再現するものだったりするのかもしれないけど、分からんな。」
…やっぱり不明点も多いんだな。
「…そろそろ良いかな。
良し。亮、俺との訓練は一時的に終わりだ。
今のお前なら腕を切られても切られたそばから回復できるようになってる。
次の訓練はコルンに見てもらえ。
それと、俺は抜き打ちで皆との訓練中に斬りかかるから対処できるように練習は欠かすなよ!」
「はい。」
「うん。じゃあ行ってらっしゃーい!」
その時、隣に階段が現れた。
これを登れということなのか。
「うわぁ…」
階段を上がらるとそこは辺り一面氷で、コルン姉さんが氷の椅子に座っていた。
「こんばんは、コルン姉さん」
「よく来たね。亮。
私との訓練はとりあえず熟練度をMaxにまで持っていって、覚醒させる。
それだけだ。後、オリジナルの技も作ってもらう。」
「オリジナルは作る必要があるんですか?」
「過去の技だと通じなくなる可能性がある。
だからお前だけのオリジナルはあったほうが良い。」
…確かにアルタイム兄さんのお兄さんも若干ではあったが、速度とか、技とかも適応された。他もいくらレベルアップしても、早い段階で完全に適応される可能性もある。
「分かったね?じゃあ始めようか。」
こうして一番時間がかかるオリジナルの技を作る、時期的に自由研究みたいな事が始まった。
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