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クエスト44[同棲]

 お昼ごろ亮から電話がかかってきた。


 「もしもし?」

 『もしもし?一昨日は妹がごめんね。』

 「大丈夫よ。女の子だし、知らない人が来たら怖かったと思うもん。」

 『そう言ってもらえるとありがたいよ。

 …それで、妹に許可をとりましたので、同棲しませんか?というお誘いと、俺たちは、恋人らしい事ができてないので、今度遊びに行きませんか?というお誘いです。』

 「ホント?!分かった!何時頃行けそう?!」

 『う〜ん。基本的にいつでも大丈夫だよ。』

 「じゃあ、一緒に今度プラン考えようね。

 後、同棲の話だけど、今日、妹さんに挨拶させてもらって良い?」

 『どうぞどうぞ。迎えに行こうか?』

 「大丈夫よ。ありがとう。4時頃に行っていい?」

 『分かった。待ってるね。』


 電話を切った柚月はルンルンでキャリーケースを取り出し、烏天狗と共に引っ越しの準備を始めた。



 〜その頃、管理局の会議室では〜

 「長官。やはり天狐ハンターと、烏天狗ハンターを今直ぐに、日本国籍にするのは、ただの贔屓になってしまいます。

 日本は昔から外国人に対する制度で毎度揉めています。

 やはり、ここはちゃんと制度の通りに。」

 「貴方の言っていることも正しい。

 しかし、ここまで日本が弱っていると、それこそ外国に舐められ国の対等な関係が築けなくなる可能性がある。

 我らが一時的に世間から言われるのと、これから日本が苦労するのはどちらが正しい選択と、言えるのでしょうか。

 それに、中国政府は今は数少ないS級ハンターが国からでていくことに何も言ってこないが、これからS級ハンターの数が上回った場合、最悪戦争になります。

 それに、どこでどう過ごすのかがはっきりしているため、それほど危険はないと思われる。

 それに、万が一、国に不利益をもたらす存在だと判明したりした場合には赤月ハンターが全責任を負うことを了承してくれています。

 これを踏まえて、何か問題がありますか?」

 「…」

 「私たちの仕事は日本を存続させ、より良くすることです。

 そのことを忘れることのないよう、お願いしますね。」


 こうして、亮がのんきに電話をしていた時に、魚部ハンターは約束通りに勝ち取ったのだ。


 午後四時頃、インターホンがなった。

 「は〜い。あっいらっしゃい!…じゃないか、おかえり。」

 「フフ…ただいま。」

 「おじゃま…します…」


 そこには私服姿の柚月と、仮面を外した烏天狗さんがいた。


 「あれ?!烏天狗さん、日本語喋れるようになったんですか?!」

 「まだカタコトだし、翻訳はこれからもするけどね。頑張って練習したんだって。後、彼の本名は(シン)よ。」

 「よろしくお願いします。シン兄さん。」


 俺たちは、硬い握手をした。


 「後、さっき、電話が来て、明日管理局に行こう。」

 「?何かあったの?」

 「二人とも両国のトップの了解のもと、日本国籍が取れることになったからその手続きだって。」

 「ホント?!」

 「まぁ、魚部ハンターが、日本国籍になるからには日本語頑張ってね。だってさ。」


 「じゃあ、ここで話すのもなんだから上がってくれ。」

 「でも、ここ四人住みにしては小さいね。私たちの部屋、無いんじゃない?」

 「そうだね。一部屋しか用意できなかったから一応、隣の部屋も借りといた。」

 「じゃあ、シンが一人部屋だね。」


 何かシン兄さん、「え?」みたいな顔してたから半強制的に追い出されてる気がするけど…まぁ良いか。

 俺は尻に敷かれないように努力しよう。

 まぁ、俺としても夫婦の生活は妹はともかくとして、流石にお義兄さんには見られたくない。

 「あーん」とかもしてみたいからね。

 流石にお義兄さんの前では無理だ。


 「まぁ、とりあえず、今日の夜ご飯はこっちで一緒に食べましょう。俺が作りますから。」

 「え?良いよ?私、作れるよ?練習したんだから。」

 「まぁまぁ、俺も料理には自信があるので、食べてからね?」


 こうして同棲が始まった。

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