クエスト37[作戦終了]
現在の能力値 スキル
筋力240(+60) 『加速』Level4
『貫通』Level3
体力230 『隠密』
『ダメージ軽減』Level3
俊敏300 『影のインベントリ』
『多段刺突』
魔力705(235×3) 『断撃』Level2
『ミニスライム兵』
『ポインター』
『風刃』Level2
『致命的切断』Level2
継承スキル 『生命の息吹』Level Max
『氷結魔法』Level Max
『天秤』Level Max
『肉体強化』Level Max
『爆散』Level Max
『万毒』Level Max
『硬化』Level Max
『リミットブレイク』Level Max
『未来視』Level Max
『結界術』Level Max
『反転』Level1
称号【ナイトキラー】【配下との絆】【継承者】
マズイ!マズイ!マズイ!
再生が始まってしまった!
しかも反動で肺が一個なくなって、さらには大量出血!
マズイ!マズイ!
焦っている間もモンスターは再生し続ける。
近くに有るのは朱雀の死体だけ。
マズイ!マズ…
ここで俺は記憶を失ってしまった。
その後、ありえないことが起こる。
気を失っているはずの赤月亮が朱雀に手を伸ばし、つかんだ。
「…反転。」
それと同時に赤月亮の魔力が回復した。
恐らくだが、朱雀の魔力量と亮の魔力量を反転させた。
「…生命の息吹。」
みるみると回復していく。
完全詠唱ではないのに。
赤月亮の肉体はこう喋った。
「お疲れ様、亮。後は僕に任せなさい。」
まるで自分は赤月亮ではないとでも言いたそうだ。
その時、顔が再生したモンスターの目が見開かれた。
「お前、アルタイムか?」
赤月亮の肉体を動かす者はこう答える。
「久しぶりだね。カオス」
「嘘だ!俺は間違いなくお前を殺した!これは悪い夢だ!悪夢だ!」
「そうさ、死んだよ。けどね、蘇ったんだよ!兄さんを解放するために!」
「うわああああああ!来るなああああ!」
「亮を散々虐めてたみたいだね。だからさ、兄として、けじめが必要だと思うんだ。」
「俺はお前より強いんだ!ずっとずっと強いんだ!」
「知ってるよ。だからこそここまで弱らせられた亮は凄いんだ。」
「俺に!近づくなあぁぁぁぁぁ!」
そう叫んだモンスターは無理やり、無完全ながらも再生させ、アルタイムに向かって突っ込んでいった。
「兄に成りきれてないのはそういう所だよ。カオス。」
そう言うと、アルタイムは両手の人差し指と、親指で、輪を作り、口の前に持ってきた。
そのタイミングで聞いたこともないシステム音が鳴る。
『生命の息吹が、一時的に覚醒し、一度だけオリジンスキル『ライトブレス』が使用可能になります。』
「光よ、闇を燃やし尽くす、ブレスと成り、彼の者を解放せよ。ライトブレス!」
ライトブレスは眩い閃光を発し、モンスターを焼き払う。
「うわぁぁぁぁぁぁ!アルタイムゥゥゥゥ!きぃぃぃぃさぁぁぁぁまぁぁぁぁぁ!」
「やっと貴方を止められるよ。兄さん。」
燃えるモンスターからは黒い靄のようなものが立ち昇っていた。
「さぁ!兄さんから消え失せるんだ!」
黒いものがなくなったとき、そこには黒焦げながらも何とか生きている人がいた。
「アル…タイム…なのか?」
「はい、兄さん。もう大丈夫ですよ。」
「お前は…何時…こんな声…に…なったんだ…?」
「少し前からですよ。」
「そうか……俺は…死ぬのか…?」
「助けられず、すみませんでした。」
「良い…何か…あったんだろ…?」
「はい、それはもうたくさん。」
「聞けないのが…残念だ…」
「俺は…負けたのか…?」
「いえ、2人で、敵に勝ちましたよ。」
「そうか…勝てたか…良かった…」
そう言って、喋らなくなった。死んだのだ。
『レベルが10アップしました。』
「…これで3人目だ。」
何が3人なのだろうか。
「ありがとう、亮。兄さんを解放してくれて。身体を貸してくれて。傷は治しておいた。ゆっくり休みなさい。」
そう言うと体は崩れ落ちるように倒れ、深い眠りに着いた。
『…なさい…』
ん?
『起きなさい…』
誰だ?
『起きろ…赤月亮…』
何で俺の名前を…?
『…妹をいつまで一人にする気だ…』
そうだ!彩!
「はっ?!」
起きたとき、俺は見知らぬベッドの上だった。
足元にはベッドに突っ伏す彩の姿が。
そして、横には剣を持ったまま立っているシュヴァリエの姿が。
「シュヴァリエ…?」
「!」
シュヴァリエは跪き、俺に言った。
「お目覚めをお待ちしておりました。」
「敵は…?」
「私が駆けつけたときにはもう焼け焦げていました。主様が倒したのでしょう?」
ん?焼け焦げた…?そんな記憶無いぞ…?
…まぁいっか。勝ったし。
「そうか…終わったのか…」
大変だった。もう駄目かとも思った。でも諦めなくて良かった。
そして、俺はもっと強くならなければならない。
次にあんなのが出てきても完勝できるように。
「…言うのが遅れたけど…ただいま。」
「お帰りなさいませ。主様。」
こうしてS級ダンジョンの攻略は完了し、無事に帰ってくることができた。
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