クエスト36[奥義]
現在の能力値 スキル
筋力240(+60) 『加速』Level4
『貫通』Level3
体力230 『隠密』
『ダメージ軽減』Level3
俊敏300 『影のインベントリ』
『多段刺突』
魔力705(235×3) 『断撃』Level2
『ミニスライム兵』
『ポインター』
『風刃』Level2
『致命的切断』Level2
継承スキル 『生命の息吹』Level Max
『氷結魔法』Level Max
『天秤』Level Max
『肉体強化』Level Max
『爆散』Level Max
『万毒』Level Max
『硬化』Level Max
『リミットブレイク』Level Max
『未来視』Level Max
『結界術』Level Max
『反転』Level1
称号【ナイトキラー】【配下との絆】【継承者】
「ファイヤーブレス!」
「絶対零度!」
お互いの技がぶつかり合い深い霧に包まれる
しかし、先ほどスキル『ポインター』を使って印を付けておいたため、場所は丸わかりだ。
「そこか!」
俺はアイスソードを作り、後ろを切りつける。
爪がぶつかり、両方とも壊れる。
爪が割れた方の腕を掴み、そのまま格闘に持っていく。
「クッ…!」
こいつ、思ったより力が強い!
加速も使ってこの速度。
あまり正面戦闘は良くないのか?
「魔力20で速度と筋力値に!」
「あ?!」
おかしい。俺は力も速さも少しだが上げたぞ?
現状が変わらない。
しかも徐々に速度が上がっている気がする。
マズイ、このままだとじんひりだ!
「グハ!」
やべぇ…。受け流すのをミスった。
モロに受けたな。
「生命の息…あっぶね!」
壁にぶつかった俺に拳が飛んできた。
再生が前提の攻撃。
やっぱりこいつ、人間じゃない。
「回復も満足にできないなんて。やっぱりふざけてるよ。」
「ミニスライム!」
地面から大量のスライムが湧き出す。その全てが俺を模倣した。
最近わかったんだ。こいつらは囮にも使える。
「分かるもんなら探してみろよ!」
「ダークブレス!」
「マジか!」
モンスターはブレスで無理矢理全てを壊す気だ。
今の数秒で何とか回復はできたが、この戦い方を続けると魔力がもたない!
というかあいつの魔力量どうなってんだよ!無尽蔵じゃねぇか!
「オーブ結界!」
この結界はフラフープの形に作られ、敵の動きを封じる結界らしくない結界。
一瞬動きが止まった。
その一瞬を見逃さず、俺はアイスソードに爆散を付けて刺しに行く。
「爆散!」
しかし、爆散の威力が強すぎて、結界までもを破壊してしまった。
「しまった!」
そのまま俺は左腕でふっ飛ばされた。
「ク…フラフラすんな…。」
脳震盪か?マズイ…このままだと…
「グハ…!」
弱ったタイミングをモンスターは見逃さない。
脇腹に良い蹴りが入ったな。
「ゴフ…」
ハハ…何だこのざまは…
助けに来たと言って結局負けそうじゃねぇか。
そういえば、俺が継承者になった時も今みたいにボロボロの状態で壁に…またお地蔵さんと、石板ないかな?
しかし、勿論そこには何もない。
「生命の…息吹…」
いや…十分力は貰った。俺が生かしきれていないだけだ。俺はまだ弱い。
もっとだ。もっと。意識を研ぎ澄ませ!集中しろ!良く見ろ!
良く考えろ俺が生きなければいけない理由を!
大切なものを守るためだ!
あいつを守るために俺は強さを欲した!
これくらいの奴を倒せなくてどうする!
家に帰らなくてどうする!
一人ぼっちにしてどうする!
寂しい思いをさせてどうする!
起きろ!戦え!
…今ので回復はできた。あいつは何故か今の俺に攻撃をしてこない。
立て直すチャンスだ。
「加速、
残りの魔力を速度と筋力値に全ブッパ、
腕に貫通をまとわせて、
ついでに爆散も纏わせて魔力で強化、
補助結界で全身を保護、
硬化と未来視を起動、
…さらに、『リミットブレイク』だ!」
『リミットブレイク』これが7代目のスキル。
このスキルは一度使用すると再使用時間が長すぎるし、殆どの敵にはオーバーキルになるため、使い所は無いと考えていた。
しかし、これ程の敵ならばこれぐらい使わないとだめだ!
効果は一回のみこれを使った後は弱体化のデバフが付き、まともに戦えなくなる。ならばこの一撃に全てをかける。
「…お前…戦う意思を持った。…ならば俺は…お前を殺して…良い。…負けじゃない。負けてない。」
「何をごちゃごちゃ言ってやがる。お前の考えなんか知るか!」
今できる全てをこの攻撃にかける。
「終わりの破壊!!!」
地面に極小のクレーターができ、島全体に響くような爆音の踏切と、一瞬だけだがモンスターが反応すら出来ないレベルの速度、圧倒的な破壊力、これまでの中で一番強い攻撃、その攻撃は奥義と呼ぶに相応しい。
一瞬だけだがモンスターですら反応出来ない速度。
その一瞬が欲しかった。俺はモンスターの胸を貫き、心臓を握りしめる。
「爆散!!」
魔力で強化した爆散。
その威力はダイナマイトを軽く凌駕する力。
これを地下で使ったのはかなり馬鹿だ。
しかし、まだギリギリ火山本体などには影響がない。
そうして土煙が晴れて見えたのは体は2割も残ってなく、頭半分と何とか残った右腕がくっついたほぼ肉の塊となっているやつ。
しかし、俺も無事とは行かなかった。
『生命の息吹』の完全詠唱でなら治せる範囲ではあるが、右腕周辺がごっそり無くなり、立つのも不可能なレベルの大怪我。
「終わったのか…」
何気なく発したこれがフラグになった。
あいつの再生が始まってしまったのだ。
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