クエスト3[レベル上限の突破]
現在の能力値 E級の平均上限値
筋力20 筋力22
体力20 体力20
俊敏25 俊敏23
魔力30 魔力40
「しかし、本当にボスに関係ある記憶はないのですか?」新宮さんがそう言った。
「はい。」新宮さんが言うには二人が脱出後救助隊を呼んで助けに行ったが、指定の場所に俺はいたものの部屋そのものがなかったのだそうだ。その後脱出し終わったら、そのまま消えたらしい。
普通のダンジョンでは人が出てきた直後に消える、なんてことはない。しかし今回のダンジョンは全員の報酬だったゴーレムコアが消滅していたりと、不可解なことが多いダンジョンらしかった。
新宮さんが帰った後、妹の彩がリンゴをもって見舞いに来た。
「無茶するなって言ってんのに…。」そう言いながらも家事をしておいてくれたり、何かと手伝ってくれる優しい妹だ。
そうして彩が帰った後システム画面についていろいろと調べた。
どんなふうに変わったかというと…現在は筋力値だけだが、ポイントの上限が無くなっていた。
これはぶっ壊れすぎる。
A級の人間の筋力値は戦士型のハンターだとしても150くらいが上限になっている。しかし、上限が取り払われたということはレベルアップを繰り返せば、筋力だけでもS級と張り合えることになる。
S級のハンターの筋力値などは国家機密のため公にはされていないがおそらく魔法系ハンターなどでも200はあると考えられる。
「E級からS級に…」俺は感動してしまった。
しかしそれと同時に気になったのは継承者という単語と、筋力値しか上限が解放されてないことだ。
『現在は』この言葉から推測するに何らかの行動がトリガーになって残りも解放されると考えられる。
「それを知るためにはダンジョンに潜るしかないと…。」
俺は決意を固めた。
4か月後
やっと入院生活が終わった。そして久々にダンジョンに潜れる。
E級のダンジョンはE級ハンターでも比較的怪我無く帰ってくることができる難易度なので、管理局に面倒な書類申請などをせずとも入口の看守にハンター証を見せるだけで行くことが可能なダンジョンだった。
しかし、ほとんどの人はいかない、それは異常なくらいドロップ品の質が悪く金にならないからだ。
そのためE級のダンジョンは誰もいかず、ほとんど管理局のハンターが攻略していた。つまり、人がいない!それほどありがたいことはない。
能力値の上限が無くなることはハンターの常識を壊す。
バレたらどうなるかわかったもんじゃない。
つまり今一番必要なのは、早急に秘密裏に筋力値を上げること。しかし、筋力値が上がればそれに応じて体格もよくなる。筋力値が20の人間がいきなり100にでもなったら怪しまれるためとりあえずは60くらいにしておこうと思う。
「このダンジョンはゴブリンか…」
ゴブリンのダンジョンはゴブリンが大量にいる大広間と呼ばれるところと、ボス部屋と、小部屋がいくつかといったシンプルな形をしている。
「まずは小部屋を攻略する!」
一人見張りらしきゴブリンがいたため背後に回って、今は折れた剣しかないため喉を切り、声を出せないようにして、めった刺しにした。
「よし。…次…」
[第4話に続く]
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