クエスト28[日本のS級ハンターの実力を見よ! 虎山ハンター・鳥嶋ハンター編]
[魚釣島南東にて]
「虎山さん、これ本当にS級5人がかりで、駆除する必要ありましたかね?」片腕でメイスを振り、もう片方で小説を開きながら鳥嶋ハンターが言った。
「過去に亡くなった人がいるから政府も慎重にならないといけなかったんだろう。そもそも…いつも言ってるが、普通の人は小説を読みながらモンスターの相手はしない。それができる君は強い方なんだよ。とりあえず、小説読むの止めたらどうだ?」虎山ハンターがそんなことを言いながらも木々の間を飛び回り、アンデット達を変身もせずに倒していた。
「はぁ?!僕にこの小説を手放せというのか?!この本は僕のすべてだ!誰にも否定させない!力ずくで奪ってみろ?全力で殺すぞ!」
極端に、メイスを振る腕が速くなった。鳥嶋ハンターが…マジギレしている。
「はぁ…。」虎山ハンターがため息をつき、お互い黙々と処理を続ける。
しばらくして、お互いの目線が一箇所に集まった。ジェネラルが2体現れた。1体は剣士、もう1体はアーチャーである。
「現れたか…。」虎山ハンターがやっと変身をする。この姿はかなり疲れるらしく、基本的には変身しないらしい。だから今回、彼は本気だ。
「鳥嶋!」「言われなくても分かる。アーチャーは僕が殺る。」
虎山ハンターが剣士のジェネラルに近づき、右側に蹴り飛ばす。「お前の相手は俺だ。」虎山ハンターが構える。
虎山ハンターは早速スキルを使い、短期決戦に持ち込むらしい。「乱月!」白い刃が木々の間をすり抜け、ジェネラルに向かって飛んでゆく。しかし、ジェネラルはすべてを斬った。
「あれをすべて斬るとはお前、強いな。天晴だ。」そうしてまた違う構えをとる。
「だが、負けるわけには、いかんのだ!明日は可愛い子どもたちと遊園地に行く約束があるのでね!ノーダメで勝たせてもらうよ!」
そうして一回の踏み込みで至近距離に近づき、スキルを使う。
「虎噛み!」
爪が白く光り、伸びる。そうして、虎が獲物を噛みちぎるが如く敵を殺すジェネラル如きには避けようがない必殺のスキル。使用後に隙ができるのが問題だが、一撃で仕留めれば問題ない。
ジェネラルは鎧ごと輪切りにされ、絶命した。
「…反応はしていたのか…。重ねて天晴だな。」虎山ハンターの左の親指の爪が剣に引っ掛かっていた。このジェネラルは他に比べ強かったらしい。
一方、アーチャーのジェネラルは弓を引き、三連射をする。しかし、すべてメイスで叩き落された。
そうして鳥嶋ハンターはメイスをジェネラルに向けて言い放つ。
「おい!骨!お前の能力はそれだけか?それだけなら俺の読書を止めた罪で……死刑だ。」糸目が開眼し、眼圧を飛ばす。これが鳥嶋ハンターの本気モードだ。
ジェネラルはさらに矢を飛ばしてくる。4本…5本…6本…。しかしそれらは直ぐに落とされてしまう。
「ほんとにそれだけみたいだな…。なら、早く死ね。」そう言うと鳥嶋ハンターは走り出した。飛んでくる矢を次々に避け、ジェネラルの目の前にまで来た。そうして下からメイスを振り上げ、弓を飛ばし、振り下ろし、ジェネラルの頭を守ろうと上げた両腕と被っていた兜ごと叩く。しかし、戦士系ではないためひたすらに殴り続け、終わった時には腕は消え、兜は始めに比べてかなり薄くなっていた。
「ふぅ…。二度と絡んでくるな。」そう言って、鳥嶋ハンターは糸目に戻り、再び小説を開いた。
これがヒーラーでありながら近接も一定程度できる小説愛好家のS級、鳥嶋ハンターである。
そうしてこれ以降ジェネラルに遭遇することもなく、約25分後に戦闘終了。
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