クエスト19[シュヴァリエからの修行クエスト 其の一]
現在の能力値 スキル
筋力130(+60) 『加速』Level3
『貫通』Level2
体力130 『隠密』
『ダメージ軽減』Level2
俊敏190 『毒耐性』Level2
『影のインベントリ』
魔力390(130×3) 『多段刺突』
『断撃』
『ミニスライム兵』
『ポインター』
継承スキル 『生命の息吹』Level Max
『氷結魔法』Level Max
『天秤』level Max
称号【ナイトキラー】【配下との絆】
「また、やらなければいけないのか…」
腕を組み天を仰いでいるのは管理局局長、72歳の世界最年長の現役S級ハンター魚部 波郎。
「現在、尖閣諸島ダンジョンはアンデッドで溢れ、近海に被害が出ているそうです。」実は管理局の上層部だった新宮さんが報告していた。
尖閣諸島ダンジョンは日本の唯一のS級ダンジョンである。三十年前に発生し、過去に日本と中国がそれぞれ単独で攻略をしようとし、失敗。その後日本にしては珍しくダンジョンブレイクが起きたダンジョンとして放置されている。
しかし、前回の挑戦から十年近くが経過…アンデッドが増えすぎてしまい、また攻略、少なくとも数を減らさなければならなくなった。
「前回、S級ハンターの死者が1人いたというのに、同じことをせねばならんのか…。」
「それなのですが…中国の方からある提案が来ています。中国のギルド『青龍』と『影狼』のS級ハンター、計8名と日本のS級ハンターの合同作戦をしたいそうです。」
「…中国のS級ハンターを全員連れてくるのか?!分かった。今すぐ会談の準備を。」
〜そして少し前に遡る。〜
「…結局、継承者って誰なんだ?」
図書館で過去のS級の記録を漁っていたが、それらしき能力の人物は見当たらなかった。それどころか、辞書を引いても氷結魔法という単語が出てこなかった。炎魔法はあるのに…。
やっぱり手っ取り早いのはレベルアップだな。
ということが5日前にあり、俺は絶賛B級ダンジョンを攻略中である。いくらS級でもさすがにA級の単独攻略は認められなかった。早く強くなって、文句の一つも言えないようにしてやる。
そして、このダンジョンは…犬?…狼?みたいなもののダンジョンらしい。こいつらは前回のオークに比べ知能が高いらしく、5匹一組のチームで動いている。
「まずはあそこからか…。」
今俺は崖の上の方から見ているのだが、右の手前の方に仲間割れを起こしているチームがあった。
「加速!断撃!」崖から飛び降り、五点着地。そうして仲間割れを仲裁しようとしている個体の首を刎ねる。仲間割れを起こしていた4匹は少し反応が遅れ、とても焦っているように見えた。
「動揺しすぎだ。」仲間割れや焦りにより、連携が取れなくなった4匹はたちまち首を落とされた。
しかし、こいつらの遠吠えを聞かれたせいで、残りの5グループが集まってきてしまった。
「シュヴァリエ!出てこい!」シュヴァリエを呼び出し、俺たちは咄嗟に背中合わせになる。彼奴等はもう俺たちの背後を取っていた。
「この状況…どう思う?」
「はい。多対一の戦い方を学ぶ、いい機会だと思います。」
「え?お前、(影に)戻っちゃうの?」
「主は特に、戦闘経験が少ないため、これを訓練としてください。」そう言うと、シュヴァリエは本当に戻ってしまった。
『シュヴァリエの修行クエストを強制受注しました。己の力のみでモンスターを全滅させましょう。5/37』…システムダンジョン以外でもクエストって発生するんだ…。
「しかし、これはしんどいな…。」一人で全方向を警戒するのは無理がある。だからか…B級を一人で攻略する人が過去を見ても極端に少ないのは…。本当にシュヴァリエ様々だな。今度何かお礼をしないと。
しかし、そんな冗談を考える余裕がなくなってきた。
「グルルゥゥ…」徐々に囲みを狭くして近づいてくる。とりあえず、『絶対零度』を使うか?…いや魔力消費が大きすぎる。ボス戦で魔力が無くなるのは避けたい。
「…使ってみる?」今回はこの包囲網から抜けることが出来ればいいのだ。ならば使ったことがないが『隠密』ならば包囲網を簡単に抜け出せるのでは?その後はいつも通り、『加速』で何とかなる。
残りの魔力は300くらい、ボス戦に最低でも150は欲しいので、使えるのは最長8分。
「3分で片付けてやる。さぁ犬(?)共!勝負だ!」
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