クエスト11[最古参との絆]
「さーて報酬は何かな~」もう気分は最高だった。まずはシュヴァリエの撃破報酬から見る。
『貴方は1の報酬と2の報酬のどちらかをもらうことができます。
報酬1…シュヴァリエの胴装備、シュヴァリエの兜、シュヴァリエの小手、シュヴァリエのブーツ、シュヴァリエの短剣のセット。全身装備ボーナスにより40%のダメージ軽減と筋力値に+10されます。
報酬2…破損しているためレベルを2消費しますが、シュヴァリエを修復し、配下にすることができます。配下になった場合モンスターを倒してレベルアップさせるか、モンスターを食べさせることにより、修復させることが可能になります。配下になった場合、ステータスと鎧と大剣と短剣は引き継がれます。配下になった場合、シュヴァリエがモンスターを倒すと半分の経験値がもらえます。』
俺はすぐに報酬2を受け取った。間違いなくシュヴァリエは強い。今の俺でも手加減をされないと勝てないほどに…そんな奴が配下になる。そんな嬉しいことはない。『レベルが1下がりました。』『レベルが1下がりました。』見る見るうちに修復されていく。そうして復活したときに鎧の色と形が変わった。鎧は装飾品が消え、全体的にスマートになり、鎧が黒から群青色?紫色?みたいな感じの色になった。俺の魔力オーラと同じ色なので俺のレベルで修復したことが原因だろう。しかしそれでも赤い忍緒は消えなかった。シュヴァリエが俺に跪く。これで正式に配下になったのだろう。
「次はクエストクリア報酬だ。」
『貴方はシュヴァリエを配下にしました。それにより報酬に若干の修正が入りました。貴方は1の報酬と2の報酬と3の報酬のうちどれか2つをもらうことができます。
報酬1…魔力増強ローブ。これを装備しているときに限り魔力が×10されます。自動修復機能が付いています。
報酬2…影のインベントリ。これにより、システムインベントリに入らなかったものを入れることができるようになります。
報酬3…称号効果の開放。これと同時に称号【ナイトキラー】が解放されます。』
俺は悩んだ末報酬2と3を選んだ。
これにより、影のインベントリにシュヴァリエを入れられるようになった。そうして称号効果だがかなりすごい。【ナイトキラー】…攻撃時敵のダメージ軽減を無効化する。称号は複数持てるらしいので物凄く便利だ。
このようにして俺は新しい力を手に入れ、また一段と強くなるのだった。
ダンジョンを出て時間の確認をすると、もう6時だ。今日は晩御飯の当番の日だ。「スーパーでポテトサラダと唐揚げ買って、みそ汁は…冷蔵庫のネギと大根入れればいいか。彩が部活から帰ってくるまでには間に合うな。」そうして俺はスーパーに急ぐのだった。しかし値引きはあまりされてなく、悲しかった。
「ただいま~」彩が帰ってきたとき、ちょうど晩御飯の支度が終わった。最近ダンジョンに潜りすぎていて、話せていなかったからちょうど良かった。その日は沢山の話を聞いた。今習っていること。学校での珍事。イベントのこと。学費の振り込み時期のこと。やはり、忘れてはならないのは家族とのコミュニケーションだと改めて思い知らされた。
そうして俺はシュヴァリエともコミュニケーションをとるようになった。機械の配下だとしても一つの生物として接することは大切だと思ったから。
【配下との絆】…一緒に戦うとき配下の能力値が20%増加する。
未来の俺はこう語る。「この称号は今では毎日のように話す俺とシュヴァリエに絆が生まれたことを明確に表してくれる大切な思い出だ。」と。