クエスト1[E級ハンター]
21××年3月これはとあるダンジョンで起きた出来事。
「継…承者?」意識がもうろうとしながら石板の文字を読んだ次の瞬間目にはシステム画面が表示された。
【継承者になりますか?】【YES】【NO】【NOを選んだ場合0.6秒後にあなたは死亡します。】
「なんだかよくわからないが…継承者になれば生きれるんだろ…なら…なってやる!」そして俺は意識を失った。
ことの発端はこの日の午前10時に遡る。
俺の名前は赤月亮。17歳のハンターだ。その割にはボロボロだって?仕方がない俺はE級だから。
この世の中には成長限界なるものが存在し、E級は一番それが低いだから覚醒したとしてもよっぽどの馬鹿か、特別な理由がない限りハンターにはならない。
俺はハンターだった両親がダンジョン内で行方不明になったが、妹を学校に行かせるため、たまたま覚醒していたのでハンターをしている。
そして今日はD級ダンジョンに入る。
「斎藤さん、今日のダンジョンの魔物は?」「ゴーレムだ。」斎藤さんと鬼頭さん
(ちなみに太っているのが鬼頭さん)が缶コーヒーを片手に話していた。
「お前しばらくダンジョン入ってないそうだがだいじょうぶなのか?」
「大丈夫ですよ。それよりも家内が子供を身ごもりましてね。」
「そうか、おめでとう。ハンターでもない限り不景気の日本で稼げる職業はないからな。」
二人がそんな談笑をしている間にダンジョンに潜る時間になった。
「えーそれでは、今からダンジョンに潜る。リーダーはC級の私、斎藤が。異論はないな?」
まあこの中で一番強いのはC級なので異論は出なかった。
そしてC級がいることでみんなこのダンジョンをなめていた。
1時間くらい潜ったところで10人のうち8人は30万近い金額を稼いでいた。(ヒーラーは、全員から一定程度もらいほかの人と同じような金額になるようにするシステムが適応されている。)
しかし俺はE級。D級モンスターには攻撃がなかなか入らないため結局5万くらいのゴーレムコア二つしか取れなかった。
…吹っ飛ばされた時にできた背中の打撲と、昔からお世話になっているヒーラーの三上さん(かなりの美人)に治してもらった全身のかすり傷と引き換えに。
「赤月くんまた無茶なことして…」と呆れられながら治してもらうことがルーティンだ。
そうしてようやくボス部屋に入った。4m程の赤い扉を開き中に入る。
異変が起こったのはその時だった。
扉を開けて入ったはずなのにいきなり真ん中に出てきた。
「おかしい…このダンジョンはゴーレムD級ダンジョンのはず。なぜここにゴーレムナイトがいる!!」
おかしいのはそれだけではなかった。
普通のゴーレムナイトは2mくらい。しかしこれは4mはある。しかも1体ではなく6体。
…異常としか言いようがなかった。
「あの扉からなら逃げられるかもしれない!」「俺は逃げるぜ!足には自信がある!」と2人が飛び出した。
2人は「やめろ!」と叫ぶ斎藤さんの静止を無視し一目散に走った。しかし扉に手が届く寸前2人は緑のゴーレムナイトに胴をたたき切られていた。
[第2話に続く]
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