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18 守護霊様side明智光秀

 18 守護霊様side明智光秀



 明智光秀は腐った鯛事件の後、失態を取り戻そうと躍起になった。

 まず上様に弁明して、精力的に働いた。

 何でもこなそうと光秀は遂に殻を破ったのだ。

 数々の小規模の戦で功を立てて遂に上様は許して下さった。

 その瞬間、光秀の肩の荷が下りた。

 暗闇の中を歩いていた光秀の苦労が報われたのだ。

 そんな時期に光秀を救ってくれたのは周囲の者には理解し難い存在だった。

 それは守護霊様――その名は何と今川義元公。

 光秀は歓喜に震えた。

 あの源氏一門である今川義元公が夢枕に立つどころか、時々助言してくれるのだ。

 そのおかげで戦は連戦連勝。正に軍神だ、と光秀は自分で自分のことを吹聴した。

 上様の覚えもめでたく、自分は何でもできる気がした。


「守護霊様、いつも助言を賜り感謝いたします」


 周りの者は誰もいないはずなのに明智殿は何をぶつぶつ言っているんだと困り果てていた。

 義元公は的確な助言を光秀に与えてくれる。

 その時から光秀はまるで神懸かりのようだと揶揄されるようになった。


「最早、私は遂に神懸かりの神童である佐吉様に並んだのだ」


 光秀は何でもできる気がした。

 挙句の果てには義元公は自分に天下を取れと言った。


 ――取れる。今の最強の自分ならば天下取りなど容易き事。


 見事に覚醒した光秀は今の状況を推移した。

 上様……いや、神職の信長は本能寺にいる。

 中国方面軍である農民の秀吉は遠い中国地方。

 北陸方面軍の柴田勝家様も上杉攻めに悪戦苦闘。

 滝川一益はそもそも取るに足らない雑魚だ。

 今の自分の兵力は一万三千と言う大軍勢。しかも本能寺のすぐ脇にいるのだ。


 ――勝てる。取れる。天下が私に転がり込んでいる。


 光秀は絶対に三日天下にはならないと思っている。

 何故ならば、どの方面軍の司令官も各地に散らばっている。

 事を構える猶予がたっぷりとある。

 その間に軍団を膨れ上がらせ、そう、十万規模の軍隊を指揮してみる。

 筒井順慶、細川藤孝殿達が呼応するのを見越してのことだった。

 何とも形容しがたい正に王者の醍醐味だった。

 光秀はすっかり初心を忘れて調子に乗っているのが、誰から見ても見て取れた。


「これは行ける。運勢が我に味方しているのだ。敵は本能寺に在り!

 日の本を統一し、日の本の王となるのはこの私だ。全軍本能寺に出撃!

 神職の信長の首を刈り取れ! いけいけ! 押せ押せ!」


 本能寺付近に敷いた明智本陣にて床几から立ち上がって軍配を掲げた。

 隣に佇む光秀だけに見える今川義元公は涙ながらに光秀の成長を喜んでいる様子だった。

 光秀の激に感化された斎藤利三を始めとした明智軍一万三千は一気呵成に本能寺に攻め立てた。

今回はここまで。

読んでくださりありがとうございます。

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