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扉の奥の秘宝 (13) 人の良い常連客

舞台は再び、骨董店「エンシャント・ケイブ」に戻ります。常連客のマルロンは……。

その後、二人は再び宝物庫へ舞い戻り、フューイが挑戦を続行したものの、作戦クリアには到りませんでした。


「ふぅ。これでアンタの勝ち逃げは、取りあえず無くなったわけだ」


ゾルウッドが、ニヤリとしました。もし初日でフューイがカギを開けてしまったら、ゾルウッドは挑戦する機会すら奪われてしまったのですから、彼の言は十分に理解できますね。


フューイは、何も答えませんでした。彼の心は、既に明後日の再挑戦を見据えていたからです。


宿舎に戻ったフューイは、早速に自室で今日の成果を書き留めます。これを元にして、計画を練り直すのでした。


暫くたつと接客スタッフのレネフィルが、フューイを呼びに来ます。夕食の支度が整ったからです。フューイは研究成果をデスクの鍵付き引き出しにしまうと、彼女の後について食堂へ降りました。


思ったよりも、ずっと複雑だ。さすがと言うべきか、当然と言うべきか……。


彼は機械的に夕食を口へと運びます。料理の味なんて、全く意に介しません。ちょっと料理人に対しては失礼ですね。


早々に食事を終えたフューイが、部屋へと引き上げます。しかし、ドアを開けた瞬間……。


「?」


フューイは何とも言えない違和感を覚えました。先ほど出て行った時と、何ら変わりはありません。しかし、何か、何かが違うのです。彼は直感的にデスクの引き出しを開けました。鍵がかかった、今日の成果が記されている資料の入った引き出しです。


果たしてそこに、目的のものはありました。


「気のせいか」


大きくため息をついたフューイは、資料を元の引き出しに戻し鍵をかけます。


初日のせいか、今日は疲れた。


若い細工師は、そのままベッドに倒れ込み、泥のように眠りの淵へと落ちていきました。



「いゃぁ、他人事ながら緊張しますねぇ」


骨董屋「エンシャント・ケイブ」のカウンターに陣取ったマルロンが、興奮気味に語ります。


「だろ? 世紀の大勝負。お前さんは、どっちが勝つと思う?」


カウンター越しに、この屋のオーナー、ゼペックの口角が上がりました。最終的には高く売りたいわけですが、そこは気持ちよく買ってもらいたいとも思っています。その為には、こういった由緒・由来の話は欠かせません。


「そうですねぇ。人の良さそうなゾルウッドに勝ってほしい気もしますが、ニヒルなフューイも捨てがたい。なぁ、セディーはどう思う?」


すっかり店主の術中にはまった小太りの男が、隣に座っている骨董仲間に話しかけました。


「うーん。何とも言えないなぁ。どっちが開けてもいいと言えばいいし……」


「なんだよ、張り合いがないなぁ」


パパの気のない返事に、マルロンは不服そうです。


パパは、考えます。


この話って、どちらが鍵を開けるかに意味はあるんだろうか。つまりは開ける者の違いによって、ストーリーの展開に差があるのかどうか……。


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