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魔女の薬 (3) 薬づくり開始!

早速、薬づくりに取り掛かる新米魔女ネリス。でもすぐに飽きてしまって……。

「さてと……」


短い間とはいえ、薬工場の主となったネリス。早速、師匠に言われた薬づくりに取りかかります。


「全く、師匠ったら、私の事を甘く見てるんだから……。きっちり仕事をして、ギャフンと言わせてやるわ」


ギャフンなんて、今どき誰も使わない言葉を口にしながら、新米魔女は作業に必要なあれやこれやを用意し始めました。


まずはフラスコ5つに試験管を10本。アルコールランプに、温度計。その他もろもろ、薬づくりは意外と大変です。


「よし、とりあえず準備は出来たわね。じゃぁ、始めますか」


ネリスは、自分を鼓舞するように言いました。でも、人の健康に直結する薬づくりです。”とりあえず”で、いいんでしょうか。とても心配です。


あ、そうそう、ネリスが何の薬を作るのか、まだお話していませんでしたね。彼女が作るのはザックリ言えば「気つけ」の薬です。ちょっとした気分高揚の為の処方ですね。何かの病気やケガを治す本格的な薬ではないので、師匠のコリスは心配ながらも新米魔女のネリスに任せたわけです。


ネリスは、薬材の調合を始めます。


「えぇっと、確かこの薬材”ゲンキノール”でいいのよね。これをまず魔法で濃縮してっと……」


マニュアルを片手に、何とか作業を進めていきます。しかし誰の手も借りず、初めて行う薬づくり。やっぱりネリスも少し緊張していました。緊張すれば体もほてり、汗もかきます。


ネリスは調合室の窓を、全部開け放ちました。風が入って来て、とてもいい気持です。


「あぁ、涼しいわぁ。やっぱり自然に親しむのが一番よ。そうすれば薬なんていらないのに」


調子に乗ってそう口走るネリスですが、自分がどうやって生計を立てようとしているのか、忘れているようですね。


だけどこれは重大なルール違反です。調合室では、皆が服用する薬になる前の、危険な薬剤も多く扱います。それが外へ漏れては大変。だから調合中は、窓を開けてはいけないんです。


規則には反するけど、まぁいいわよね。たかが気つけの薬だし、コリス師匠は勿論、今、私の他には誰もいない。いい気分で作った方が、優れた薬が出来るってもんよ。


ネリスは窓の外へ少し身を乗り出しながら、勝手な理屈を並べ立てました。


それから一時間ほど経ったでしょうか。ネリスは、次第に薬づくりに飽きてきます。薬づくりは地道な作業が多く、時間もかかるものなんです。若いネリスには、少し辛いかも知れません。それでも師匠がいる時は、大人しくしているのですが、今は誰もいない薬工場の女王として君臨しています。


「めんどくさいなぁ……。そうだ、前から考えていた方法を、ちょっと試してみようかしら」


ネリスの目が、イタズラっぽく光りました。


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