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亡者の戦車 (5) やって来た!

ひどい吹雪の晩。ヒト妖精の男の子ニールは、パパからあるお話をしてもらいます。

「で、この亡者の戦車には約束事があるんだよ。戦車の音が二回までは改心する機会が与えるけれど、三回聞いたら問答無用で地獄に連れて行かれるってものだ。だから、三人目の背の高い悪党はこう言ったね。


”なぁ、やっぱり王様を襲う計画は、やめた方がいいんじゃないか”って。


だけど太った悪党が途端に言い返したんだよ。”お前まで迷信を怖がってどうするんだ”とね」


さぁ、パパのお話もクライマックスです。


パパは心の中でほくそ笑みながら、


「ゴ――――ッ!!! その時、今まで聞いた中で一番大きな音が鳴ったんだ」


突然の大声に驚いたニールは、危うくソファーからころげ落ちそうになりました。してやったりと言わんばかりの、得意満面なパパの顔。


「三度驚いたおかみさんが、おもてへ出てみると、宿屋の前の道にはクッキリとわだちが残っていた。わだちってのは、車輪の跡って意味だ。しかもそれは、青白い炎のわだちだったんだよ。


おかみさんが恐る恐る通りの向こうへ目をやると、そこには遠くへ走り去って行く、青白い二つの丸い車輪の炎が見えたのさ。馬のいななきと一緒にね」


「やっぱり、亡者の戦車がやって来たの?」


ニールが、恐る恐る尋ねた。


「そうさ。おかみさんもそう思って、急いで三人組の部屋の前まで行ってみたんだ。だけど、前に来た時のような話し声は何もしない。寝てしまったのかとも考えて、鍵穴からそっと覗いてみたんだけど、明かりはついているのに、男たちの姿は全くない。


おかみさんは覚悟を決めて、エイとばかりに部屋の扉を開けてみた。でもそこには誰もいなかったんだ。本当に誰一人ね。念のため、クローゼットやベッドの下まで探したけど、人っ子一人いないんだ」


パパはニ―ルが真相に気づいていると思いましたが、あえてそれには触れませんでした。


「で、おかみさんは、とっさに思い出したんだ。青白い二つの車輪のすぐ後ろに黒い影が三つばかり繋がれて、激しく引きずられていた事に! わかるかい? そう! 三人の悪党は地獄へ連れて行かれてしまったんだよ!!」


役者のように、パパは大げさに手を振りかざして叫びました。

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