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昇らない お日さま (17) 真相

ヴォルノースの森に、朝が来ない! お日さまが昇らないのだ。その秘密を探るため、大魔法使いパーパスが乗り出した。

「何で、そんな風になるのじゃな。月か太陽が、お前に何か無理難題でも押しつけたのか? まぁ、恋愛というのは周りが見えなくなるものと相場が決まっておるからな。本人たちも気づかぬ内に、お前に酷い事をしたのかも知れないの」


パーパスが、ゴクラクチョウの告白を手助けします。


「いいえ、滅相もない。お二人は僕に大変感謝をして下さり、良くしてくれました」


ゴクラクチョウが、首を振ります。


「では、なぜじゃ」


パーパスは、核心に触れようとします。


「今、あなたさまは”恋愛というのは周りが見えなくなるもの”とおっしゃいました。まさにそれなのです」


ゴクラクチョウの懺悔の言葉に、人並み外れて鈍感なパーパスもハッと気がつきました。


「おまえ、もしかして……」


パーパスが、問い詰めます。


「はい、僕は手紙のやり取りをお手伝いしている内に、お月さまに恋をしてしまったのです。


あの青く美しい光、たおやかなさま、そして大変優しいビロードのような声。どれをとっても、その魅力に僕は心を奪われました」


ゴクラクチョウは、苦しそうに続けます。


「でもそうなると、お二人の元へ手紙を届けるのが本当に辛くなりました。いえ、もちろん預かった手紙を盗み見るなどという、下品な真似は致しません。


しかし手紙を読んでいる時のお二人の表情、その返事をしたためている時の嬉しそうな様子。お月さまとお日さまが、互いに想い想われているのは僕にだってわかります」


ゴクラクチョウは、ボロボロと涙をこぼしました。


「それで嫉妬のあまり、手紙を届けるのをやめてしまったのじゃな」


パーパスが、話を締めくくります。


「はい、お二人の相思相愛ぶりを見るのが辛かった事もありますが、手紙のやり取りをしない事で、お二人の仲が壊れてしまうのを、全く願っていなかったと言えばウソになると思います。


本当に、恥ずかしい限りです」


遂にゴクラクチョウは、地面に突っ伏して号泣しました。


「ワシのような年寄りには、既に恋愛云々の話はピンとこないが、まぁ、お前の言うのは真実なのだろう。だが、これで一件落着じゃ、真実を月と太陽に話せば……」


パーパスがそう言いかけた時、思いがけない事が起こりました。ゴクラクチョウの体がドンドン赤くなり、煙を出し始めたのです。


「あぁ、恥ずかしい、恥ずかしい。僕は何という事をしてしまったんだろう! 本当に恥ずかしい!!」

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