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昇らない お日さま (7) 名案

ヴォルノースの森に、朝が来ない! お日さまが昇らないのだ。その秘密を探るため、大魔法使いパーパスが乗り出した。

「うるさいな。これがわしのお気に入りなんじゃ」


パーパスが、つっけんどんに言うと、


「そりゃぁ、あなたがまだ鼻タレのお子さまだった頃には、魔法使いはそれが普通だったんでしょうけれどね……」


と、半分諦めた声でシュプリンが返しました。


「お帰りはいつ? お昼ご飯の用意は、いつもの時間でよろしいでしょうか」


「わからんよ。もう、そういう古女房みたいな言いようはやめてくれ」


パーパスはシュプリンの返事を聞く前に、玄関へ続く廊下へと急ぎます。そして魔法の杖を持って外へ出て行きます。


シュプリンはヤレヤレという顔をして、朝ご飯の片づけを始めました。


家の外へ出たパーパスは、空を見上げます。なるほど、確かに月がポッカリと昇っていて、どう見てもまだ夜に違いありません。


パーパスは、白いヒゲを撫でつけながら、


「うーん、これは尋常ならざる事態だぞ。はて、どうしたものか」


と思案しました。


しばらく腕を組んで考えていた大魔法使いは、ふと思いついたように呪文を唱えます。彼の周囲に緑色の光がまとわったように見えましたが、それはすぐに四方へ広がっていきました。なんの魔法なのでしょうか。


「大きな呪いは、ないようじゃの」


なるほど、彼はこの異常な出来事が呪いのせいではないかと考えて、それを調べていたのですね。でも、違ったようです。


パーパスは、ますます思い悩みました。このまま各地へ飛んでみて、様子を調べようかとも思いましたが、それでは大変な時間と手間がかかります。その間に人々は恐れ苦しみ、場合によっては不安から暴れ出す者が出るかも知れません。


その時です。パーパスのモジャモジャの白い眉毛が一瞬、ピンと真っすぐに伸びきりました。彼が名案を思い浮かべた時に現れるサインです。以前からこのサインのおかげで、何度こまった事件を解決して来たかわかりません。


「問題は、月が動かないので、太陽がここへ来られない事じゃ。であるならば、なぜ動かないのかを月に聞いてみればいいじゃないか」


当り前と言えば当り前の話です。でもそんな発想、大魔法使いでなければ出来ません。


彼の帽子や服にたくさん付いている星型の柄の一つ一つも、ピカピカと光ってお祝いをします。彼らも生きた布で出来ているのですからね。

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