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昇らない お日さま (4) 大魔法使い

ヴォルノースの森に、朝が来ない! お日さまが昇らないのだ。その秘密を探るため、大魔法使いパーパスが乗り出した。

少し話が脱線してしまいました。話を戻しましょう。


そのお家、いかにも魔法使いの家という感じがする不思議な三階建ての家なんですが、そこの二階に、大魔法使いパーパスはいました。ベッドでスヤスヤと眠っています。何の夢を見ているのでしょうかね。魔法の夢? いえ、実際はご馳走の山に囲まれている夢のようです。昔からちょっと、食い意地が張っているのが玉にキズのお爺さんです。


「マスター、マスター! もう朝ですよ。早く起きて下さいな」


カラクリ人形のシュプリンが、両手を腰に当てて、ご主人様の顔の近くで叫びます。本当はもっと優しい起こし方も出来るのですが、いつもパーパスからウルサク小言を言われる事が多いので、ちょっとした仕返しのつもりです。


ここで、少しシュプリンのご紹介。


”彼”は、パーパスが作った木で出来た魔法のカラクリ人形です。服を着ている姿であれば、遠目からは四十代のニンゲンにしか見ません。間近でみると、さすがにわかりますけどね。もうパーパスとは大変長い付き合いです。


シュプリンに揺り動かされ、


「なんじゃ、シュプリン。何かあったのか?」


大魔法使いパーパスが、まぶたをやっと少し開けました。そして部屋に煌々と灯る明かりに目を細めます。美味しい夢から引きずり出されて、かなりご機嫌斜めのようですね。


「なんじゃも、もんじゃもないでしょう? もう起きる時刻ですよ。年寄りが寝すぎるのは、健康によくありません」


シュプリンが、お説教じみた口調で喋ります。


「お前、遂に壊れたか。窓を見なさい。カーテンの隙間から、太陽の光がこぼれて来てるかの? まだ真っ暗じゃないか」


体を半分起こしたパーパスは、窓の方を指さして言いました。確かにカーテンの隙間は真っ暗です。


「あぁ、なるほどそうですね。でも私の体の中の時計も、ついでにあなたの枕元にある目覚まし時計も、二つとも起きる時間を指し示しているのですよ?」


今度はシュプリンが、少し機嫌の悪い声を出しました。ご主人様とはいえ、パーパスのワガママぶりにはいつも手を焼いているからです。


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