表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

116/238

お髭(ひげ)のニール (4) 恐ろしい蛇

ニールは驚きます。自分の足元に恐ろしい蛇が……。

ニールは、ビンに貼ってあるラベルを更によく見ます。注意書きがあるようなのですが、全てを読むのはまだ八歳のニールには不可能です。当然、”お子様へのご使用はお控えください”なんて、難しい単語が全部読めるはずもありません。


それどころか、たまたま知っていた”子供”という単語があったので「あぁ、これは子供が使ってもいいんだな」と勝手に思い込んでしまいました。


そうと決まれば善は急げです。


ニールは早速ビンの蓋を開けて、左の掌に中身を垂らしていきました。でも上手く量が調節できません。掌には、希望の量よりも、かなり沢山の水たまりが出来ました。ここら辺の大雑把さは、パパ譲りです。


かまうもんか。


大は小を兼ねるとばかりに、ニールは左の薬を右手で顎に塗りたくります。この思い切りの良さは、ママ譲りでした。ミントの臭いが、ぱぁっと辺りに広がります。


ニールは早速鏡の前に立ちました。まだ背があまり高くないニールの為に、洗面所の低い位置に彼専用の鏡が掛けてあります。


ニールは期待を込めて、鏡を覗き込みました。でもその希望は一瞬でしぼんでしまいます。だって、いつものニールと何も変わらないんですもの。


「おかしいなぁ。パパ、またインチキな品を買わされたのかなぁ」


ママが、いつもパパに言っている言葉を思い出しました。


そうとわかると、途端にこれまでの熱情は覚めやって、ニールは何か凄く損をしたような気分になりました。


このモヤモヤを吹き飛ばすため、ニールは冷蔵庫へと向かいます。ジュースの残りがあるのを、思い出したからでした。クッキーの焼け食いに続いて、ジュースの焼け飲みです。ママが知ったら、さぞや嘆くでしょうね。


お気に入りのオレンジジュースのビンを冷蔵庫の棚から取り出して、ニールは上手にコップへと中身を移します。そして再びビンを棚に戻すと、冷蔵庫の扉を閉めました。


次の瞬間、


「痛っ!」


ニールは顔の下の方に電気が走ったような刺激を感じ、思わず声を上げました。


なに?なに? どうしたの?


突然の事に、ニールは取り乱します。そして、本能的にその場を離れようとしますが、上手く出来ません。またまた痛みがおそい、今度は何もしていないのに、閉まったはずの冷蔵庫の扉が開いたのです。


一体、何が起こったのでしょうか?


本当に訳が分からなくなったニールは、居間へと逃げ帰ろうとします。彼にとって、あそこが一番安心できる場所だったからでした。


しかし、またもやニールに悲劇が起こります。何かに足を取られて、すってんころりん、床に転んでしまったのです。


ギャンと叫んだかと思うと、ニールはフローリングに突っ伏しました。小さな子供にとって、これはかなりのダメージです。でもニールは泣きません。この意地の強さはママ譲りです。パパは、すぐに弱音を吐きますからね。


一体どうしたんだろう。


ニールは、子供ながらに分析します。取りあえずは、体を起こしてその場に座りました。でも、そこで彼はギョッとします。何か長いものがウネウネと、自分の足元にとぐろを巻いているのです。


蛇!?


ニールは、そう直感しました。前にパパと森の奥へ行った時、木の枝からぶら下がっていた、細くて長い蛇そっくりだったからです。ニールは慌てて立ち上がり、全速力で居間へと逃げ込もうとします。でも蛇は全く彼から離れようともせずに、一緒について来るのです。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ