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扉の奥の秘宝 (27) 絶体絶命

悪党の反撃にフューイは……。

「それは簡単さ。あんたにだって、察しはついているんじゃないのか?


そうさ。レネフィルがあんたに化けて、一緒に出て行くんだよ。そして偽物のあんたは鍵を開けられなかった失意から、自分の部屋に施錠して閉じこもる。それを、レネフィルが証明する。


明日、俺様がめでたく宝物庫が開いた後、この体に仕込まれた忌々しい薬の効果が消えた頃に、やっと部屋から出てきたあんたと俺様がそろってここを後にするんだ。まぁ、細かい入れ替わりは、レネフィルが万事うまくやってくれるさ。


どうだ、完璧だろう?」


”フン、やり返してやったぞ”とばかりに、モゼントが鼻を鳴らしました。


「なるほど。……じゃぁ、ついでにあと少しだけ教えてくれ。


オレが扉の鍵を開けた後、タイミングよく兵士に化けたレネフィルが来られたのは何故だ。それに、さっきオレたちがここへ入った時には門番がいた。それを、どうかわしたんだ?


あと基本的な事なんだが、もしオレが最終的に鍵開けに失敗したら、どうするつもりだったんだ。明日、あんたに開けられるとは思えないがな」


フューイが、補足を求めます。


「あぁ、いいだろう。それくらいはサービスしてやる。まず、レネフィルが都合よく現れたのは、これのおかげだよ」


モゼントが、あのイヤホンがついたカード型の魔道具を手に取りました。


「これは通信機にもなっていてな。あんたが鍵を開けたのを見て、レネフィルに連絡したんだ」


「あたいはそれを聞いて、ここへ駆けつけた。今度は知っている兵士に化けて、門番を追っ払ったのさ。適当な言い訳をつけてね。もっとも今ごろは元の場所に戻って、アホづら下げて警備をしているだろうけどな。


あとで本物の兵士と揉めたって、兵隊同士の些細なトラブルで済んじまう話だよ」


「それと最後の質問だが、もしあんたが今日も失敗したら、俺様も今回は潔く諦めていたさ。捕まらない秘訣はな。引き際を見極めるって事なんだ。


もっともその場合は、あんたの命も助かっていたわけだから、ある意味あんたが死ぬのは自業自得と言えなくもないな」


モゼントとレネフィルが、連携よく説明をします。


「なるほど。冥土の土産話にはならないが、ちょっとした思い出話にはなりそうだ」


フューイが、微笑みながら言いました。


「気取るんじゃねぇ。さっきは油断したが、今度はそうはいかねぇぞ」


レネフィルが、ナイフを構えます。


「そうともさ。こいつは暗殺者として一流だし、俺様も殺しにかけちゃあ、チョイとばかり自信がある。あんたも少しは出来るようだが、二人ががかりではかなうまい」


モゼントもどこからか短剣を取り出して、部下と共に飛びかかるタイミングを見計っていました。


ジリジリとした緊張感。狭い宝物庫に張り詰めた空気がたち込めます。


「いやぁー!」


まずはレネフィルが、脱兎のごとく飛び出して、モゼントがそれに続きます。


フューイ、絶体絶命!


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