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境界戦線  作者: 御星様
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護衛任務


時刻は朝七時。



いつものように設定した時間に目覚ましのアラームが鳴り響く。

それをわたしはいつものように、布団から出ずに手を伸ばしながら、目覚ましを止める。


「は~。よく寝た。」


毎日十時間以上寝ているわたしの体は今日も絶好調だ。

わたしはベットから立ち上がると、朝の身支度を始めた。




身支度が終わってニュースをつける。

テレビ画面にはいつもわたしが見ている朝の定番コーナーである【今日のニャンコ】が映っていた。


「かわいい~」


テレビにはニャンコが飼い主のパソコンのうえにどっしりと鎮座し、飼い主の仕事を邪魔している映像が映っていた。飼い主もどいてよーとは言っているが、まんざらでもないように見える。


いつものように猫、いやニャンコを眺めてわたしはほっこりする。

こんな平和なニュースばかりであればいいのに、と思うがそれはとても難しい。

そんなことをのんきに考えていると、突然画面が切り替わった。


『突然ですが緊急速報です。昨日(さくじつ)、異能教育高等専門学校が何者かに襲撃を受けたとのこと。人的被害についてですが、B級異能力者の教師複数名が重症、さらにA級の異能力者二名が重症を負い、近くの病院まで搬送されましたが、その後死亡が確認されました。幸いなことに、その日はまだ春休みで校内に生徒はおらず、生徒への被害は今のところ確認されていないとのことです。現在犯人はまだ見つかっておらず、調査中とのこと。また情報が入りましたら、追って放送いたします。』


とまあそんな内容だった。


「はえー。物騒だなぁ。」


異能教育高等学校。

今から約二百年ほど前から確認され始めた“異能”と呼ばれる力を持った人間の登場。

そのような人達は当時から見れば信じられないほどの身体能力だったり、特殊能力を持っていて、周囲の人はかなり混乱したらしい。


二百年も時間が経って色々と紆余曲折あったものの、今では異能力は一般的なものとして社会に受け入れられている。現在では度々生まれてくる異能力者が自身の力を制御するためや、使い方を学ぶためにこの学校に通っている。


このように異能力は現代では特筆するようなものではないが、それでも今日のニュースには驚くべきところがいくつもある。


まず、あの学校に襲撃を掛けた馬鹿がいるということだ。あの学校は異能力者を育成することもあり、かなりの人数の異能力者が常駐している。その中でもA級やB級といった異能力者の中でも上澄みの部類に入る人間がいたにも関わらず死亡者まででている。これが示す事はーーー襲撃者が、強い。


単独犯であれば間違い無くS級レベルの異能力者による襲撃だ。まあ正直、その線は薄いだろうが。

あそこを単独で突破できるとような人物は異能省と呼ばれる組織が管理しているため、襲撃したら即座に断定される。


...まあ異能省に登録していない外部の人間の可能性もあるが。

単独犯ではなく、複数の人物による襲撃だとしてもあの学校の警備体制(セキュリティ)を抜けて尚且つA級の教師も殺害しているのだから限りなくS級に近い人物による襲撃だろう。


なんか、嫌な予感がするなー。

そんなことを思っていると、案の定、胡桃の携帯が鳴った。

相手は八神剛。ーーー異能省のトップにいる人物の名前だった。このニュースからの、この電話。

嫌な予感が膨れ上がったが、上司からの電話に出ないわけにはいかない。


気乗りしないが、電話に出る胡桃。


「もしもし、八神さん?」


「胡桃だな。今日のニュースは見たか?」


「・・・まあ。見たけど。」


「じゃあ話が早いな。そのことで話があるから、今から本部まで来てくれ。」


「・・・了解しました。」


「頼んだぞ。」


そう言って八神さんからの電話は切られた。


(はぁ。やっぱりこうなるのか。)


不思議なことに胡桃の嫌な予感はかなりの頻度で当たる。今回も自分の

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