子供の国 漆
久しぶりだな。また投稿を始める。スローペースだがよろしく頼む。
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教室の前を通りがかった時、机に紙が置かれている事に気が付いた。
どうやらそれはクラスに加入する時用の書類らしく、名前を書けば今からここで学校ごっこが出来るらしい。
私は適当に教室を選び、名前を書き、部屋に入った。
クラスルームは本能的に気味が悪い事を感じた。
設備は最もオーソドックスな小学校の物にしようという意気は伝わってくるが、その中には普段児童達が暮らす、所謂生活感という物が無かった。
全て寄せ集めで出来て、「はい、そこに暮らせよ」というような造りだった。
周りにクラスメイトは何人かいた。まあ直ぐに去ることになるが。
机は二十セット程用意されているので、それくらいの人数はクラスにいるのだろう。
周りの児童は、前から友達だったのであろうグループで話をしたり、本を読んでいたりする。
周りは、正しく子供といえるようで、この子達が普通の学校にいても溶け込むだろうとも思う。
教室の設備との対比で、不気味だった。
その時、チャイムが鳴った。
そうすると、全ての児童が各々席に座り始めた。私も、近くの適当な席に座った。
カツカツと威圧するようなヒール音が鳴り始める。
教師が来たのだ。
やがて少し経ち、教室の戸をガラガラと、早く開ける訳でもなく、遅く開ける訳でもなく、何か機械的にドアが開かれた。
そして教卓に書類が置かれ、その教師が姿を現した。
「皆さんおはようございます。今日も元気に勉強しましょう」
その教師は、ロボットだった。
明らかに肌が機械的にシルバーに染まり、目は黒目が動く度キュルキュルと音を鳴らす。
腕は全てメタルシルバーだ。
そして、さも私だけが変だと言うように、児童達がバラバラなコーラスを披露した。
「はーい」
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やはり文を書くのは良い。またな。