子供の国 伍
兎にも角にも、まず旅先で情報収集が重要だ。
これは色々な旅先で学んだ事だ。読者諸君もそこは理解出来ているだろう。
私は街頭マップを見つけ、駆け寄った。
今思えば、あの国には移動手段が見られなかった。君達で言う所の、車道は無く、全て歩道だった。その為危険にさらされる事は無かった。
普通に考えれば子を死なせない為だろうが、この国は少子化が起きている訳では無いだろう。おそらくコストがかかってしまうのだ。薬の価格もバカにならない。
街頭マップは全て平仮名で書かれてあった。それにアルファベットも使われていない。そして看板の位置が異様に低かった。普段の物より二十センチ程。
心做しか色彩も鮮やかに見える。
今私がいるのはセンター街だった。但し「せんたあがい」と書かれてあるので分かりづらい。
ふと目に飛び込んできた一つの文字。「がっこう」。
小中高で分けていないのが不思議に思えたが、この国は皆小学生程度の年齢をしていることを思い出した。
もしかしたら、何か興味深い事があるかもしれない。
私は駆け足でその学校へと向かった。
餓鬼達が不思議そうな目で私を見ている。気に食わない。
私が、この国では正しいのだ。他は許さない。
・・・・・・
寝る。