子供の国 弐
次。
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検問を抜け、私は何やら注射器の様な物が置いてある部屋に来た。
壁紙のような物は無く、ほぼ倉庫と化していた。
やはり辺りはシンとしていた。少し寂しい。
私は注射器がいくつか置いてある机に向かった。
机にはトレーが敷いてあり、その上には例の子供になる薬が入っている注射器がある様だった。
薬はブクブクと沸騰している。針は普通の物と同じくらいだった。
前の馬鹿かと思う程大きい針よりはマシだ。
私は腕を露出させ、その注射器を打った。鋭い痛みが私の腕を刺し、途端に腕が痺れてくる。
何か毒でも入れられたのではないかと思ったが、それは杞憂だった。
力が抜けていく。私は意思に負け座った。
・・・・・・そしてどれくらい経ったか。体感は一時間程だったが。
ふと手を見ると、あの忌々しい幼年期と全く同じ手が私の視界に写りこんだ。
ついになってしまったのだ。子供に。私は柑橘の様な爽やかな青春は送ってこなかった。だが皮肉も今私は帰ってきた。
体が軽い。まるで全盛期のバブル時代の様だ。
私は今まで来ていた服から這い出て、全裸体のまま次の扉に向かった。
・・・・・・
また次の展開があるのだ。今日はこの辺で。