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人間見聞録  作者: 大柳京太朗
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子供の国 壱

 更新が遅れて申し訳なかった。今スマホをぶんどってきたので、これから、旅の話をしようと思う。

 今回は、私が訪れた、何とも不思議な子供の国の話である。

・・・・・・

 ハーレーのエンジン音が林に木霊する。

 右にテナーサックス、左にはペンを持ち、私はバイクを走らせていた。

 いつも五月蝿いハーレーなのに、今回は林の中の走行だ。耳をつんざくエンジン音にうんざりしながら、それでも私は走りを辞めない。

「・・・・・・そろそろ、か」

 私がこれらの条件に耐え、向かうのは理由がある。

 この先には、国がある。

 それの詳細は、また言おう。楽しみにしていてくれたまえ。

 国が見えてきた。国は壁に囲まれていた。

・・・・・・

「ようこそ。ご存知だと思いますが、我が国では入国の際、薬を注入させて頂き、子供になって頂きます。ただ、貴方様はどうやら作家をやられているようですね。・・・・・・基本は精神まで若返るのですが、追加で支払って頂ければ、精神はそのままになります。どうですか?」

「なら、それで」

 私はこの小説で、この国について記す為そのプランを選んだ。

「・・・・・・ところで、何故その様な事をしなくてはいけないのだ?」

 私はその検査官に聞いた。

「この国は昔、人々の裏切りや、殺人が、多くありました。さらにそこに少子高齢化が加わり・・・・・・崩壊しました」

 検査官は掌にタブレットを置いた。そこには煙が立ち、崩れたこの建物によく似た姿の建物が映されていた。

 ここも一度潰れたのだ。

「・・・・・・しかし、そこに今の王が機関に入られました。そこで王はある提案をしました。

大人が問題を起こし、一度この国を崩壊させた。ならば、国民を子供にして仕舞えば、悪事が起きず、平和になるのではないか、と」

 無駄だと思った。その後この私の考えは立証されるのだが・・・・・・。

「そこで国所属の研究所が、精神、身体を子供にさせる薬を完成させました」

「最初は全ての国民が反対しました。しかし、あの時代の酷い状況では、そうも言ってられません。結局、賛成過半数で案は決定されました。・・・今大人として居るのは、私たち検査官と、官僚だけです」

 この国は気味悪がれて、入る者は少ない。今この建物に居るのは私と検察官のみだった。

「子供に、なりたいかい?」

「・・・・・・はい。でも、国民はもう二度と子供には戻れない。・・・・・・現実でも、そうじゃないですか?いくら戻りたいと思っても、僕達は過去には戻れないんですよ」

「そうだな・・・・・・」

 そう云う彼の顔は辛さを隠しきれていなかった。

・・・・・・

 おっと、もうこんな時間か。

 では、又。

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