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お薬マメ知識  作者: るう
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第六回 お薬マメ知識 睡眠薬の嘘ホント

 お久しぶりのマメ知識です~! 第六回!

 ぜんっぜん更新してないにも関わらず、定期的にアクセスがあるのはとても嬉しいやら後ろめたいやらといろんな気分でいっぱいですw

 訪問してくださった方、ほんとにありがとうございます。


 さて、かなりお久しぶりだったため、どんなテンションで書いてたかを思い出すために過去の記事を見てみました。すると……第三回くらいのところに、次は睡眠薬! と書いてあったにも関わらずその後は睡眠薬にはチラリとも触れてないですね…。まったくもっていい加減な書き手です……。

 というわけで、睡眠薬を待ち焦がれていた方。今日はしっかりと睡眠薬です!(いないって?w)


 まず、睡眠薬ってボケるってほんと? かどうかについてです。

 結論としては、どこのお医者さんも、睡眠薬でボケてしまったという人を見たことがないというのが定説です。

 ではどうしてボケると言われているのか。

 第一の理由として、脳に作用する薬だから、または脳を鎮静させる薬だからボケてしまうのではないか、と思っている、というものです。

 これについては理由は正しいですが結論は間違ってます。脳に作用するのも脳を鎮静させるのもその通りですが、それとボケるという事はまったく結びつきません。これはほんとに都市伝説的な感じです。

 しかも現在使用されてる薬は、安全性をものすごーーく考慮されて作られているため(精神科の患者さんが飲む場合がとても多く、自殺目的で飲む可能性を考慮されているのです)、ほんとに安心して飲んでもらいたいです。

 さて、第二の理由。これが、睡眠薬はボケる、という言葉をちょっと助長させる作用です。

 睡眠薬……特にベンゾジアゼピン系と呼ばれる睡眠導入剤に現れやすい、「前向性健忘」という症状です。

 これは、薬を飲んだあとに何か行動した(会話など)時、そのことを次の日に思い出せない、というものです。

 原因としては、この睡眠薬は脳の「海馬」という部分を鎮静させて眠りを誘う、という作用機序に関係しています。海馬というのは聞いたことがあるのではないでしょうか? これは、記憶することを担当する場所でもあります。なのでここを鎮静させることにより、一時的に記憶回路の働きが止まってしまい、「物忘れ」という現象……すなわち健忘を起こしてしまう、ということです(もっとも、睡眠薬が鎮静させる場所は海馬だけではないのでこれは簡単な説明にすぎないのですが)。

 これを聞くと、「じゃあやっぱり怖い薬なんじゃん!」という反応が返ってくることもあるかもしれません。

 でもこれは、ごく一過性のものです。薬を飲み、効果を発揮する間だけに起きる現象で、薬が抜けた時(次の日など)には脳の状態は元にちゃんと戻ります。これが一過性健忘とも言われるゆえんです。あくまで、一過性のものだということをきちんと理解して欲しいと思います!


 これを防ぐため、というか睡眠薬を飲んだ時に注意して欲しいことが、一つだけあります。

 睡眠薬を飲んだらすぐに布団に入り、電気を消して眠る体勢になることです。

 もともと、睡眠薬を飲んだあとに何かをすることによって、それを忘れてしまう健忘状態に陥ってしまうのですから、すぐに横になってしまえば問題はないです。

 さらに言うなら、眠剤を飲んだあとに何か作業をしたりしてしまうと、急に身体が睡眠の状態に入ってしまい、足下がふらついて転倒などの原因にもなってしまいます。

 ちなみに前向性健忘は、睡眠薬と一緒にアルコールを飲んだ場合に強く出やすいようです。これは、アルコールを併用することによって、睡眠薬の効果が出すぎることによります。

 お酒と睡眠薬は一緒には飲まないようにしましょう。


 もう一つ、睡眠薬を飲むに当たって気がかりな事と思われる事があります。

 それは、「睡眠薬には依存性があるから飲んだらやめられなくなる、耐性がついてしまってどんどん増やしていかないといけなくなる」といったものです。

 まず、依存性についてです。

 飲んだらやめられなくなる、薬を飲まないと眠れなくなってしまう、という事だと思うのですが、それはちょっとおかしな表現だと思うのです。

 だって、もともと薬など何も飲まないと眠れない、という理由で睡眠薬を処方してもらっているので、睡眠薬を飲まなくなったらまた眠れなくなる、というのはごく当たり前のことだと思うのです。

 血圧の薬と同じようなものですね。血圧が高いから薬を飲む=薬を飲まないと血圧がまた上がってしまう、という感じです。

 もっとも、眠れなくて夜中ないしは明け方まで布団で転がってるか、起き上がって作業をしてしまって気づいたら朝になってるとか、そういう不規則な生活が不眠を助長してしまうので、睡眠薬を飲んできちんとした時間に眠って、起きて、という規則正しい生活をしていると、自然に睡眠薬を飲まなくても規則正しい時間に寝たり起きたりできる身体になる、という事もあります。それは飲んでみないと分かりません。

 なので、睡眠薬は規則正しい生活リズムを作るために飲む、といった認識でとらえてもらえればと思います。リズム大事です。リズムに乗るぜ~♪ な感じです(ちょっとだけ古い?w)


 そして耐性について。耐性がついて、薬の量がどんどん増えていくか?ということです。

 これもあんまりないです。

 薬の量が増えていく、という現象は確かにあります。精神状態が悪くなるにつれて不眠が悪化してしまい、同じ薬の量では眠れなくなる、という事などです。でもこれは、薬に身体が慣れてしまって同じ量では効かなくなる、というのとは全然違う事です。単純に、病態の悪化により薬が増えているのです。

 じゃあ慣れについてはどうなのか? というと、昔の睡眠薬は確かに耐性がとてもつきやすいものでした。それこそ効かなくなって、どんどん薬が増えていってしまう、という現象が起きやすかったようです。

 けれど今の薬は改良されてとても良くなっているので、耐性がついてしまうということは滅多に起きなくなっています。むしろ、睡眠薬ではなく狭心症の薬など他の薬のほうが耐性がつきやすいと言われています。

 今の睡眠薬はほんとに安全性を重視されて作られているのです。


 というわけで、睡眠薬がいかに安全かということについてわりと長めに色々な事を語ってきましたが、これらもすべて、「お医者さんの指示通りに飲んでいれば」という注釈がつきます。

 コレステロールの薬が「一日一錠」と決まっているのに、「今日はたくさん食事をしたから二錠飲もうかな」とやってるのと同じ事です。倍飲んだら副作用の発現率だって高まってしまいますし、それで副作用がでた、と言われてもこれは医療関係者が責任を負える事ではありません。

 お医者さんの指示が、「自分で調節していいですよ」と言われている時ならそれでもいいんですけどね。場合によっては、身体に睡眠のリズムをしみこませるために毎日きちんと飲んだ方がいい事もあったりするので、毎日飲むか、調節してもいいか、という事についてはお医者さんとよく相談しましょう。


 ってな感じです。

 題名を見て、だいたい想像はついてるかもしれませんが、続きますw

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