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第六話 公爵領道中膝栗毛 そのニ

 次の街、ハバナに着くと、カルロが守備隊に盗賊二人と討伐した者の右耳を引き渡し、少し騒ぎになったが、褒賞金を受け取った。金貨20枚、結構な実入りだ。俺に全部渡そうとするカルロに、商隊の取り分として、半分の金貨を渡し、旅費の足しとさせた。カルロは恐縮して固辞していたが、俺が護衛を辞めてもいいのか、と笑いながら話すと仕方なく聞き入れた。

 

 商隊には、赤子を除き3人の子供がいる。

12才のシェリーは活発な赤毛の髪の女の子だ、10才の弟、ニコロは大人しめの黒髪の男の子。6才のアーシャは、恥ずかしがりやの金髪の女の子だ。

 俺がパンが硬いので、ホットケーキを焼くと食い物に釣られて、懐いてきた。この世界、砂糖は希少品だが蜂蜜はある。

 俺の側にいると、美味しい物に有りつけると味をしめた3人は、何かと俺に纏わりついてくる。今日も今日とて、焼き蕎麦を作っている。

 小麦粉と蕎麦粉を混ぜ、水を加えても揉む。十分揉み込んだら、手作りののし棒で広げ、薄く折りたたんで麺に切る。適当な包丁がないので、俺の脇差しで代用だ。この世界には武士の魂で蕎麦を切るとは何事だと言う御仁も居られないので安心だ。

 ソースはないので、塩胡椒の味付けだが、キャベツらしき野菜も肉の小間切れも入れたので、なんとか焼き蕎麦になった。紅生姜がないのは、洒落でなくしょうがない。

 たくさん作ったので、商隊の皆にも食べてもらう。俺が料理をするので、皆驚いているが、子供達は今更だ。笑顔でパクついている。


 焼き蕎麦を作っていて思いついたのだが、この世界にも油はある。ちょっと工夫はいるが、油を使えば、水蒸気爆発が起こせる。

 公爵の屋敷を吹き飛ばしてやろうか。

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