表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/136

第五話 公爵領道中膝栗毛 その一

 翌朝、俺は男爵家の皆に見送られ、旅立った。男爵からは、レイネを助けたお礼も含め、金貨を100枚も貰った。旅費には十分過ぎるだろう。


 街道をのんびり歩いていると、後ろから20人ばかりの商人らしき一行に追いつかれた。

 「もし、旅のお方、どちらまで行かれるので?」

 「別に決まった宛はないが、賑やかな街までかな。」

 「手前共は、商人でございますが、街々を寄りながら、ブログリュー公爵領まで参ります。もしよろしければ、護衛を兼ねてご一緒していただけないでしょうか?ちょうど護衛の者達が前の街で、引き返すことになり、誰も居なくなってしまい難儀しておりまして。」

 目的地としては、申し分ないな。見渡すと、男が8人、女子供が13人、確かに物騒なようだ。 

 「いいだろう、どうせ急ぐ旅でもないし、お前達さえ良ければ、一緒に行こう。」

 「それは助かります、食事はこちらでご用意致しますので。」


 商人の名前は、カルロというそうだ。年は30歳くらい、主に布地を扱っているそうだ。

 俺は、カルロと一行の先頭を歩きながら、ブログリュー公爵をどう脅すか考えていた。

 鉄砲、火薬、そんなものは、手に入らないし、作る材料もない。火炎瓶くらいなら、作れるが近づかなきゃ使えない。奴らに気付かれずに、脅しを掛けるには、何か方法がないだろうか。

 そんなことを考えながら、歩いていると、10人ばかりの男達が飛び出して来た。野党だろう、問答無用で斬りかかって来るので、俺が切り捨てる。あっと言う間に5人を切り捨てると、残った奴らは逃げ腰になる。構わず、なおも3人を切り捨てると、残った二人は武器を捨てて、降伏してきた。カルロが驚愕の表情で、俺に声を掛けてきた。

 

 「コウジ様、なんとお強い、たったお一人で10人もの族を倒してしまれるとは。」

 「そうかな、こいつらが弱かったんじゃないかな。」

 後ろの一行も、皆固まっている。皆を護れたのだから、いいじゃないか。

 「カルロ、その二人を縛り上げてくれ。面倒だが、近くの街まで馬車の荷物だ。死体は、道路脇に埋めよう。」

 「はい、わかりました。盗賊の討伐の証拠に死体の右耳を持ち帰ります。褒賞金が出ますよ。」

 商隊の皆は、すげぇすげぇ、と馬鹿騒ぎだ。

こうして俺達は、次の街へと着いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ