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第三話 ブルータスの街にて

 食事の間で夕飯をご馳走になった。食事は、フランスパンのような固いパンと、肉のステーキ、それに肉の入ったシチュー、塩胡椒の味付けの知らない野菜のサラダだった。

 食事中は、俺の身の上やら、何処へ行くのか聞かれたが、見聞を広めるため、田舎から出て来たばかりであるとしか答えなかった。

 食事が終わると、寝室に案内され、下着姿になるとぐっすり眠りに落ちた。


 目が覚めると、昨日のことを思い出し、さてこれからどうしたものかと、ぼんやり考えるがなるようになるとしか考えられなかった。

 「コージ様、起きていらっしゃいますか?」「はい、今起きたところです。」

「着替えたら、食事の間へお越しくださいね」「はい、伺います」慌てて着替えを済ます。


 食事をしていると、レイネが街を案内すると言い出したが、昨日襲われたばかりであり、皆に止められ、しょげている。

 代わりに下男のジョイという少年が案内してくれることになった。

 食事を終え、俺はジョイと街へ繰り出した。


 街の名前は、ブルータスというそうだ。人口8千人程の男爵領唯一の街とのことだ。

 街は、東西と南北に大通りが延び、通りには商店が建ち並んでいる。

 「お客さん、ココイチはいかがですか、甘いですよ」果物屋のおかみさんが声を掛けて来た。「ふーん、いくらだい。二つ貰おうか。」 ジョイと二人でかぶり付く、甘くて桃のような果物だ。

 どうやら、この世界では、食料事情は悪くないようだ。貧しい人はもちろんいるのだろうが、大半は普通の生活を送れているようだ。

 通りを進むと武器屋があった。どんな武器があるのか興味に惹かれ、覗いて見る。

 槍や弓、両刃の直刀剣に、反りがある片刃の西洋刀のような剣、いろいろ置いてある。 

 「お客さん、何かお探しで。」店の中年の親父が声を掛けてきた。

 「細身で片刃の剣とかは、置いてないかな」 「へえ、そんな剣をよくご存知で。誰も買わないので、奥に仕舞ってあるのが一刀ありますが。」 「それを見せてくれるかな?」

 「今お持ちしますんで、少々お待ちください。」

 見せてもらうと、それは、間違いなく日本刀だった、刃紋が何より美しい。

 「これは、いくらだ?」「へい、売れ残りなので、金貨10枚でお譲りします。」

 金貨10枚、日本円で10万円くらいだ。俺は、男爵からお礼に貰った金貨20枚があるので、買うことにした。

 「それじゃ、買うよ」「へえ、ありがとうございます。せっかくなので、短い剣もお付けします。」

 それは、日本刀の脇差しだった。俺は、日本刀を手に、街を後にした。

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