第二話 ハーベスト男爵邸
「申し遅れましたが、私の名前は、レイネ·ハーベストと申します。」「私めは、ハーベスト男爵家で騎士を務めます、ポーカーと申します。」
男爵家のお嬢様と護衛騎士だった。
「俺は、コウジ、、、旅の者です。」
名字は名乗らない方が無難だな、貴族かと聞かれたら面倒だ。
「襲って来た者達は、何者ですか?何か襲われる訳でもあるのですか?」
「分かりません、こんな街中で襲われるなど思いもよりませんでした。父なら何か心あたりが、あるかも知れませんが。」
「お嬢様、急ぎお屋敷へ戻りましょう、いつまた、奴らが現れるとも限りません。」
「ええそうね、お父様に一刻も早く、知らせなければ。」
そうして、俺達は急ぎ足で屋敷へ向った。
30分程歩くと、門構えのある大きな屋敷に着いた。門番もいて、なかなか厳重な屋敷だ。
門から結構な距離がある玄関にたどり着くと、執事らしき者が出迎え、レイネが襲われた話を伝えると、大慌てで奥へ駆け込んで行った。
「ささ、コウジ様こちらへ、まもなく父が参ります。」
応接室らしき部屋に、案内されると、すぐにレイネの父親が現れた。
「レイネ、襲われたとは誠か? とにかく無事で良かった。」
「はい、こちらのコウジ様がお助けくださいました。」
「おおっ、そなたがお助けくださったか、心から礼を申す。」
「いえ、偶然通り合せたので、幸いでした。」
「コウジ様は、すごくお強いんです。族は10人程もおりましたが、5人をあっと言う間に切り飛ばされました。」
「それはなんとも、有難いことだな。」
「お父様、コウジ様には、うちにお泊りくださるよう、お連れしました。」
「それはもちろんじゃ、お礼もせねばならん。好きなだけ、ご滞在いただくがよい。」
「それで父上、私を襲ったのは、何者でしょうか?、街中で襲われるなど、思ってもいませんでした。」
「まさかと思うが、お前の婚姻に反対する貴族の手の者かも知れん。」
「えっ、私の婚姻? そんな話は聞いていません。」
「ふむ、なにせわしも知らせを受けたばかりの話でな、ブログリュー公爵家のご長男がどこぞで、お前を見染めたらしく、婚姻を申し込んできたのじゃ。」
「それで、私が狙われたと?」
「お父様、そんな話はお断りください。私は一人娘、お父様のあとを継ぎ、この領地を治めて参ります。」
「ふむ、お前が望まぬなら、この話は断るつもりでおる。大事な一人娘を見知らぬ男なんぞに渡してなるものか。」
おやおや、この男爵、結構な親ばかだぞっ。公爵とか、かなり偉いさんだと思うが、逆らっていいのかなぁ。
扉がノックされて、女性がは入ってきた。
「あなた、お食事の用意ができましたわ。」
「お客様、レイネの母親のシモーネと申します。この度は、娘を危難から救っていただきありがとうございました。この娘の身に何かあったらと思うと、生きた心地がしませんでしたわ。」
「コウジと申します。偶然、通りがかりお助けすることができました。ご厄介になります。」
「とにかく、お食事の用意ができましたので、食事の間へおいでください。」