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第二話 ブルータスの孤児院

 シェリー達を送って、ブルータスの街に着くと、夕暮れが迫っていた。

 パンのお土産をカーナラに渡すと、鍛冶屋に顔を出してみる。俺と親しい鍛冶屋は、ボッシュと言って、まだ若い20代の若夫婦だ。

 小さな店先で、刀の研ぎを頼むと、こんな剣は初めて見たと、刃紋の美しさに魅入られたのか、一心に研ぎをやってくれた。

 その真摯な真面目さに、仕事はどうだと聞いたところ、独立したばかりで、あまり仕事がないと言って来た。それで、手押しポンプを作ってくれと依頼すると、その未知の技術に目を見はり、俺の信奉者になってしまった。

 今のところ、精度と理解力から、ボッシュしか手押しポンプを作れないので、ハーベスト家からの依頼で大わらわのようだ。

 

 そんなボッシュの店を訪ねる途中、泣きながら歩いている幼子に出会った。

 「どうしたんだい、迷子になったの?、名前は?」そう、問かけると。ぽつり、ぽつり話しだした。

 「ミーシャのせいで、皆の家がなくなっちゃう」そう言って泣き止まない。

 ようやく、聞き出したところによると、孤児院の子らしく、この子が原因で何かトラブルがあったらしい。


 ミーシャを送って、孤児院へたどり着くと、シスターが出迎え、訳を話してくれた。

 もともと孤児院は、奇特家の商人の寄付で創られたそうだか、その商人も数年前に亡くなり、あとを継いだ親族が、今頃になって土地と家を返せと言って来たそうだ。

 シスター達は、取り合わず、追い帰したそうだが、今日の昼間もやってきて、子供達に乱暴を働き、その中で噛みついて抵抗したアーシャに対し、怪我の弁償を迫ったそうだ。呆れてものも言えない。

 相手は、ボルツ商会というらしい。

「ミーシャ、心配ないよ。俺が話をつけるから」そう言って、ミーシャの頭を撫でてやる。「シスター、明日、俺がボルツ商会に出向いて、話をつけるから待っていてください。」



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