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閑話2 カルロの酒作り
コウジ様は、とんでもなく不思議なお方だ。適当な仕入れるものがなく、困り果てていると、酒でも作ってみたらどうだ。と声を掛けて来られた。そんな簡単に酒など作れません。と答えると、10日くらいで簡単に作れる酒があるぞ。とおっしゃる。
言われるまま、蜂蜜を用意し、水と蜂蜜を3対1の割合で混ぜ、パン種を入れて発酵させると、本当に10日程で酒ができた。しかも抜群に美味い酒だ。慌てて蜂蜜を大量に仕入れ、蜂蜜酒を作り売りに出すと、飛ぶように売れ、もっと売ってくれと客が押しかける始末。
それより何より、うちの男どもが、この酒の虜になり毎晩酒盛りを始めたのには参った。
このまま、ここで酒を作り続けると、商隊がここから動けなくなる危険があると感じたのは、さすがの俺だと思う。




