オープニングストーリー
オープニングムービーの内容の文字起こしです。
人類は、この世に生まれて数億年、その間、様々なドラマが生まれてきた。
人類は、荒れ果てた地上に住み着き、文明を育んできた。その中で、一部の者たちが争い、戦ってきた。
多くの者がその犠牲となる。文明が栄えても人間の心は一歩も成長を遂げない。
また、新たな戦いが起ころうとしている。また、多くの者がその犠牲になるだろう。
いつか滅びよう、この地上を守ってきた戦士の物語である。
西暦2163年、2月、南極で、最後まで残っていた氷も溶け、南極調査隊が洞窟を発見。
その中にノアの箱船を見つけた。船の中には、一匹のオス犬と聖書が見つかる。
聖書の中には、当時の様子と各地域の言い伝えや伝説が記述されてあった。
調査隊は、その聖書の中の一節に興味がもった。
『人類は再び魔の手に落ちた・・・』と書き残っている。調査隊は、この事がどのような意味なのか知るすべは無かった。
人類は、二度栄えた。舞台は、一度目の世界、そして、伝説へ・・・・
時は、天動暦6292年、力と魔法が支配する時代。その時代は、いくつかの伝説が生まれ、
新たなる時代への始まりが訪れようとしていた。
始まりは、16年前の11月、木の葉が色つき始める季節だった。オーリバラティという国(現在のメニアローニ大国)が
内乱でガルシス城が攻め入られているさなか、オーリバラティの王、バルタは、地下牢に住むドラゴン・ロードを
解き放った。この事で、戦況は一変した。反乱軍の勢いが衰えようとしている時だった。
空の一点が、ピカッと光った瞬間、ドラゴン・ロードが炸裂、あちらこちらに肉片が飛び散った。
その後に残ったのは、光に包まれた赤ん坊だった。
それが、アリスだった。
アリスは、幼い頃から不思議な力を持ち、育ての親を驚かした。その事は、誰にも告げにまま、16年の歳月が経った。
アリスは、自分が何者か知らないまま、成長し、育ってきた。そんなある日、アリスの家に一人の男が訪ねてきた。
その男は、かつて反乱軍のリーダー、アリスの育ての父・リングの友達でもある。メニアローニの王、パナティオン一世だった。
パナティオンは、リングに会いに来たのだ。その時、アリスは家の手伝いで、水くみに出かけていたのだった。
パナティオンは、この国の異変、いや、この世界の異変が起ころうとしているのをいち早く気づいた為、
リングにアリスの力を貸してもらう為に、王が自ら交渉に来たのだ。
それは、あの夜の出来事。アリスが天から降りてきたことを思い出したパナティオンは、
もしや古代戦記「ダークレス」に登場した救世主の生まれ変わりが、アリスではないかと信じた為である。
その事をリングに告げたら、リングも薄々、感じていたようで、アリスに話すことを決心してくれた。
その時、アリスが、物陰で、一部を聞いてしまった。
思いがけないパナティオン王の登場と自分が両親と思っていた人が育ての親だと知ったアリスは、
気が動転して、遠くまで走り出して行ってしまう。
今、リングは家の中でパイプをくゆらせながら、燃え落ちて行こうとしている夕日を見て、アリスの帰るのを待ち続けた。
夕日が、山際にかかった時、家のドアが静かに開き始めた。そこに、涙をいっぱいに貯めこんでいるアリスの姿があった。
リングは帰ってくることを確信していたのだった。
リングは、そっとアリスの肩に手を乗せた。
『すまない。今まで黙っていて、本当に、すまなかった。アリスには普通の女性に育って欲しかった。ただ、ただ、申し訳ない』
それを台所から涙を浮かべている母の姿もあった。アリスは、鳴き声で話した。
『た・・・旅に出ます。あたしがこの家の子じゃないと知ったからには、何かをしないといけないわ。でも、お父さんはお父さんよ!』
リングは、強くアリスを抱きしめた。その光景は、まるで、一生会えない親子の断絶の瞬間を見ているようだった。
そして、このドラマが始まる。