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第1章 第2話

本日2度目の投稿です!不定時刻の更新ですが、よろしければ読んで行ってください!

 



 一度固く閉じた瞼がぱっと開かれた。



  さっきまでなかった視界もどうしてか取り戻している。



  辺りは果てがあるかも分からないただひたすら白い空間が広がっていた。



  体の感覚や心臓の鼓動も確実に感じる。

  何故だ。



  俺は、強盗に銃で撃たれて、死んだ。



  確かに死んだ、はずだ。



  なのにどうして、今俺は生きている感覚があるんだ。



  訳がわからない。



  「どうなってんだよっ。俺は死んだんじゃないのか!?」



  困惑し、正常な思考が出来ないでいると、どこからか声が聞こえた。



  「はい、あなたは確かに死を迎えましたよ。風雅慎介さん」



  その声に反応し、辺りを見渡すが人影は見当たらない。



  だが、1度瞼を閉じ、再び開けると目の前には、1人の女性がいた。



  吸い込まれそうな白い肌に、透き通った青い瞳、そしてなんとも艶やかで撫でたくなるような美しいブロンドの髪の女性だった。



  服装も、一般人、それも現代の人間が纏うそれとはまるで違う、とても高貴なオーラを放っていた。



  まるでゲームや漫画に出てくる女神のような女性だ。



  「あ、あなた、は……」



  俺は目の前に現れた彼女に恐る恐る声をかけた。



  「あなたも薄々気づいていらっしゃるようですが、自己紹介しましょう。初めまして。私はここで死者のゆく道を定め、導く女神です。名をヘリアと言います。以後お見知り置きを」



  「あなたが女神様、なんですか?」



  「ええ、私は正真正銘、女神ですよ。まあ私は死者を導くことしか仕事がないですが」



  まさか本当に実在しているとは思わなかった。神様なら、名前を把握されていてもおかしくないよな。



  ……あれ、待てよ。



  さっきもそうだが、彼女から妙なワードが聞こえてきたぞ。



  「あの、へリアさん。1つお聞きしたいことがあるんですけど」



  「はい、なんでしょう?」



  「あなたは、死者を導く女神、なんですよね?」



  そう問いかけると、へリアは少し笑みを浮かべた。



  「そうです。不幸にも亡くなった方々のその後を導く役を務めています。特にあなたのように、若くして事故や病気で亡くなった方々を重点的に、です」



  この言葉を聞いて、俺の中から困惑や恐怖心はなくなっていた。



  核心に迫るにはまだ言質が足りないが、俺は大体を悟り、そして期待感を抱いていた。



  「それじゃあ、あなたは俺をどう導いてくれるんですか?」



  胸が高鳴るのを感じながら俺はそう聞いた。



  「勿論、あなたには、新たな人生を用意してあります」



 その時、俺は鳥肌がたった。



  続けて俺は問いかけた。



  「その、新たな人生、というのは……」



  彼女は全てを悟ったように、にこりと笑みを浮かべながら返答した。



  「転生、ですよ」



  瞬間、全身に衝撃が走った。



  強盗に銃で撃たれた時とは訳が違う程の衝撃だ。



  それはまるで、ずっと気になっていた女の子からある日急に呼び出され、告白された時のようだ。



  ……経験はないけど。多分そんな感じ。



  「死者となったあなたには、これからこの地球とは別の世界に行っていただきます」



  「おおっ、待ってました!」



  俺の大袈裟なリアクションに、へリアは少し驚く。



  「さっきからそうでしたが、一応あなたは死んだんですよ?それも17歳という若さで。なんだか嬉しそうですね」



  「そりゃそうでしょ!俺はこういう展開を何度夢見たことか。我ながら柄じゃないことしたかいがありましたよ」



  確かに死んだ時はすごく苦しかったし、絶望もしたけど、そんなことはもうどうでもいい。

  逆に、最後に人を救うという、平凡の枠を脱した行動をして人生を終えたことを誇りに思うぐらいだ。



  まあ、助けた人間がちょっと気に食わないが。それでも最後にいいことして死ねて良かった。



  「そうですね。私もあなたの勇敢な行動には感銘を受けました。せめてあなたには、沢山あるうちの、1番良い世界に、その心と体のまま、生まれ変わらせて上げましょう」



  「え、生まれ変わる世界は沢山あるんですか?」



  「はい、だいたいの希望は叶えることができると思いますよ。さあ、あなたの行きたい世界はどんな世界ですか?」



  なんだそれ、最高じゃないか。



  この歳になると1度は夢見る世界。



  ゲームとか漫画だけの話だと思っていた世界に。



  「俺は……剣と魔法と冒険の異世界に行きたいです!」



  俺の答えを聞いた時、へリアはどこか気が乗らないような表情をしていた。



  「……えっと、一応そういった世界はありますけど……いいんですか?正直に言いますと、そこは地球よりも危ない世界です。他にも、豊かな自然と可愛い動物達に囲まれた世界とか、おとぎの国みたいな世界

 とか……もっと安全で楽しい世界はありますよ?」



  目の前にいる女神は、俺の身の案じてくれているのだろう。



  社交辞令だと分かっていても、こんな可愛い女神にこんなに心配されるとか、まじで惚れそうになるわ。



  しかし、俺の決意は固いのだ。



  「心配してくれるのはありがたいですけど、俺は冒険がしたいんですよ。今までずっとつまらない人生を送ってきたんで。次はもっと刺激的な人生を送りたいなって」



  俺は異世界で冒険したい。



  凶悪なモンスターを倒したり、最強の勇者とか言われたり、そして……可愛い女の子と、なんか色々したい。



  「まあとにかく、俺はこの選択に後悔はないんで」



  俺の説得を聞いたへリアは、小さく溜息をついた。



  「はぁ……そこまで言うのでしたら。あなたのような方は今までにもたくさんいたので、これ以上は何も言いません。ですが、簡単にまた死なれると困るので、規定通りあなたには、旅立つ前に1つだけ、あちらの世界で有利になる物を授けましょう」



  予想はしていたが、やっぱりあるんだな、そういうの。


 

  まあ、異世界転生の醍醐味?風習?みたいなものだしね。



  やっぱチートが正義だわ。



  「待ってました!それで、正確には何があるんです?」



  「はい、伝説の聖剣や強力な固有魔法、そしてスキル。ドラゴンなどの使い魔、なんだってありますよ。それを取得するためのカードがあるので、今取り出しますね」



  そう言うと、へリアはなんか4次元空間的なゲートに手を入れた。



  まじか。今聞いたやつだけでもやばそうだな。それが1つ選び放題だなんて。おいしすぎだろ。



  今のうちに簡単に決めておかないとな。



  俺は心を踊らせながらその取得カードとやらが出てくるのを待った。



  だが、それが出てくる気配が全くない。



  それどころか、へリアが4次元空間に手を突っ込んだまま固まっているようにも見えた。



  「あれ、へリアさんどうかしたんですか?」



  俺が声をかけると、彼女はびくっと体を震わせた。



  「え、えっと……その、実は……」



  へリアはバツが悪そうな顔をしながら事情を話した。



  「すみません!今、ここに取得カードがないんです。つまり、在庫切れです!」



  「……………ふぁ?」



  俺はつい拍子の抜けた声を漏らしてしまった。



  「え、在庫切れ?今ここにない?ちょ、ちょっとどういうことですか!?意味がわからないんですけど」



 チートに在庫切れとかあんの!?



  「え、えっと……つい2時間程前に亡くなった、あなたと同じぐらいの歳の方にお渡しした聖剣が最後だったのを忘れてました。……てへ」



  てへ、じゃねぇよ!ちょっと可愛いけど……。



  「え、えーっとつまり……俺はそのチート能力を貰えないってことっすか!?」



  「あ、明日になればまた新しく入荷してくると思うんですけど」



  え、そういうシステムなの?なんか思ってたのと違う。



  「それじゃあ明日までここで待ちます。俺はチートを手に入れて、異世界で勇者になりたいんですから」



  「えっと……申し上げにくいんですけど、明日までここに留まることは出来ないんです。ここに来て半日以内に転生してもらうとういう規定があるので」



  「まじかよ。それもう詰んでね?」



  なんで俺のタイミングでチートが無くなっちまうんだよ。



  2時間前に死んだやつ、あっちで見つけたら絶対締め上げてやる!



  とはいえ、なんも持っていかずに転生したらそれこそ本当に命が危ない。



  「それはちょっと困るんですけど!なんかないんですか?この際贅沢は言わないんで。おまけでもなんでもいいですから!」



  「うう、そんなこと言われましても……何かあったかなぁ」



  俺の焦った顔を見て、申し訳なさそうな表情をするへリアは何かないかと4次元空間に上半身を突っ込んだ。



  俺から見えるのは、上半身の消えたへリアの豊満な尻だけ。かなりエロ……グロい絵面になっていた。



  そんな絵が1分程続いた時、へリアの体が4次元空間から出てきた。



  「ありましたよ風雅さん!ずっと売れ残っていたのが1つだけ!」



  「おおっ、まじすか!やったぜ!」



  不幸中の幸いと言うべきだろうか、へリアの手には、1枚のガラス製のカードが握られていた。



  「これで良ければ、どうぞお受け取りください!」



  俺はへリアからそのカードを受け取り、チートの詳細を確かめた。



  「えーっとなになに?『悪魔との契約特権』なんだそ れ?」



  「文字通り、異世界で悪魔と契約を交わし、強大な力を得るというものですよ」



  「おお!なんか凄そうだな!」



  なんだ。おまけぐらいかと思っていたが、これは相当な掘り出し物じゃないか。



  「ですがこれは、あちらの世界で悪魔と契約するまで、どんな力が手に入るかも分かりません。それに、これは力を得る代わりに、悪魔から代償を要求されるらしいんです。なので、私からは何の保証も出来ないんです」



  「なるほど、だから売れ残っていた訳だ。でも大丈夫ですよ。これはかなりのチートと見ました」



  これまでゲームや漫画、小説の知識を貪ってきた俺の経験から察するに、悪魔と契約すると、相当強力な力を手に入れることができるはずだ。



  この際ダークヒーローでもなんでもいい。聖剣とかよりロマンがあっていいじゃないか。これで安心して異世界に旅立てるってもんだ。



  俺はカードをポケットに入れ、そしてへリアに向けて最後の宣誓をした。



  「へリアさん。俺、これにします!あっちで絶対成功してみせますとも!」



  「あなたがそれでいいのでしたら……分かりました。これからあなたを剣と魔法と冒険の世界に転生させます。あちらに着いたら、そのカードを地面に叩きつけて割ってください。そしたら効果が発揮されるはずなので」



  「分かりました。それじゃあお願いします」



  「はい。あなたのご武運をお祈りしております。それでは、行ってらっしゃい」



  その言葉を最後に俺の視界が強い光に包まれた。



自粛中に書き溜めた分がまだ結構あるので、こうやって予定している時刻じゃなくても更新する場合があります。


よろしれければ、ブックマークや感想など頂けるととても励みになります!


この作品も従来のように、いつ中断してしまうか分かりませんが、どうかそれまで楽しんでください。

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