表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

新世紀の殉教者

恋さえも知らないまま

作者: keisei1

 恋さえも 知らないまま

 散るは 秋の花の定めと知っても


 激しくて 胸の奥で 疼く

 彼の 夢の名残よ


 

 地図だけを頼りに 歩いてきた この旅路の傷跡

 降りやまない 季節の涙とともに 消え去ったファンタジー


 なぜか感情さえも コントロールして 抑えちゃうんだ

 それだから 目隠しの夜も また訪れるんだろう


 恋さえも 知らないまま 

 無くす心 陰る光とともに


 差し伸べた 掌は

 深く 嘆き 夜闇に霞むよ



 痛みだけ やけに感じる夜明けに 明日さえも見えない 

 「前を見て」 そう諭されても 僕の心を 覆うブラインド


 母も兄も遠退いて 父の厳しさも消えて

 これが自由というならば それは 辿った道の罪深さ


 恋さえも 知らないまま

 極彩色に 彩れた過去も


 名前のない 人たちの

 記憶も 掠れ もう二度と戻れないよ


 夜更けにて 舞い降りた

 やけに悲しい 叙事詩の終わりよ



 恋さえも 知らないまま

 強い激情に 後押しされたミステイク


 夢のあとに 実る 稲穂 

 僕が 受けることのない収穫の秋よ 



 過ちと傷は どうしようもない

 二人だけでは 力になれない

 人々は 声もなく去っていく

 空虚のあとの 気怠さよ

 

 そのまま僕を 空に連れ去って

 出来るならば 全てを消して

 痕跡さえも 残さずに

 僕の生涯は 終わっていく


 それはそれで 構わない

 いつも 終わりは切ないもの



 恋さえも知らないまま

 散るは 秋の花の定めと知っても  


 舞い上がる 天使の羽根

 千切れ もがれ 最後の煌めきを




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ