表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
a shame married couple  作者: コシピカリ
55/60

一緒に寝かせて

~side柚稀~



「柚稀、寝る時しっかり鍵確認しろよ」


時刻は午後の11時。眠りに就く龍也が、私に しつこいぐらいに言った。


「あ、私も寝る。だから龍也お願い」


お前なぁ、と言いながら龍也はやってくれる。

何だかんだ、龍也は優しいのだ。


「じゃあな」


「うん、おやすみ」


向かう先はもちろん、別々の部屋。

寂しくないと言ったらウソになる。けど、これで良いのだと自分に言い聞かかせる。


龍也が私に求めているのは、都合のいい妻。おじい様の出した条件にピッタリの女。


お互いに恋愛感情を持たない。


だから別に、何でもない。


「明日もあるし、さっさと寝ちゃおう」


少しグシャグシャになっているシーツを直していると、視界の隅で、何か動いているものを発見した。


「……」


ガサゴソと動く、黒光りしているアレは……


「ぎゃあああああああああ‼︎‼︎」


大人の女性のものとは思えない声が出たけれど、どうだって良い。


「柚稀⁈」


驚いた龍也が、寝室のドアを開け私を見る。

開いた龍也の寝室に、私は一目散に入る。もちろん、ドアは閉める。


「おい、どうしたんだよ」


「でででで、出たのっ私の部屋に悪魔がっ」


「悪魔?」


「そう、悪魔。黒くて、光って、 空を飛ぶ……」


「それってさ、ゴ……」


「その名を言うなぁっ!」


近くにあった枕で、龍也を全力で殴る。相当痛かったのか、龍也は頭を抱えてうずくまる。


「お前なぁ……」


「ごめんごめん、でもどうしようっ」


「戻れ」


何を言うのか、この男は。

たった今、あの部屋から全力で逃げてきたばかりだというのに。


「龍也部屋交換してっ」


「断る」


「やっつけてっ」


「お前をか?」


「この部屋で寝かせてっ」


「はあ⁈」


さっき自分に言い聞かせたばっかだけど。

でもこれは、想定外。


「あいつと同じ部屋で寝るなんて無理っ、耐えらんないっ。ソファーでも床でも良いからっ。……一緒に寝かせて?」


「……ソファーなんてねえよ」


龍也が髪をクシャリとさせる。長い沈黙の後、大きなため息をひとつ。


あ、メンドくさいって思われたかな。



「ベッド、狭いけど文句は言わせないからな」


「龍也様ぁぁぁ!」


険しい顔の龍也。


「迷惑はかけないからっ。ありがと龍也っ、かっこいい男前っ!大好きっ」


「殺虫剤買っとくから、退治はお前がしろよ」


「いぃやぁぁぁ!」


当然だろ、と龍也が不機嫌そうな顔でそう言った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ