安寧な休日 4
〜side龍也〜
龍也、おじい様がいらっしゃったよ笑
そんなメールを見たのは、模試が終わってからだった 。
何が笑だ、と怒りよりも脱力感を覚えた。
「おいこらジジイ!」
怒鳴りながら玄関のドアを開ける。
脇目も振らずリビングに行くと、ジジイと柚稀がソファに仲良く腰掛け、テレビを観ていた。
「お帰り龍也、模試お疲れ〜」
俺を出迎えた柚稀は、のほほんとしていた。
「ジジイに何もされなかったか、大丈夫か?」
「特に何も無かったよ」
笑う柚稀の隣で、ジジイが大袈裟なため息を吐いた。
「久しぶりに祖父に会うというのに、第一声がそれとはな」
「うっせー何しに来た」
何かと俺の邪魔をしようという奴だ。油断出来ない。
ジジイを睨みつける俺に、柚稀ジジイの代わりに答える。
「龍也の顔を見に来たんだって」
「はあ⁈」
有り得ない。ジジイがそんな優しいこと、思うわけがない。
俺のことを、自分の思い描く人生の駒の様にしか思っていないのに。
けれどジジイは柚稀の言葉にうんうん大きく頷いている。
「久しぶりにお前の顔を見たし、帰るとするか」
「おーおー是非そうしてくれ」
キッチンから塩を持って来ようかと考えていると、ジジイが俺の名前を呼んだ。
「老人は狙われやすいから、家まで送れ」
「ふざけんな、どこの誰がジジイを襲うんだ」
「まーまー良いんじゃないの?たまには優しくしても。おじい様だって歳なんだし、いつぽっくり逝っちゃっても不思議じゃないし。
それぐらいしてあげなよ」
柚稀の言葉に眉を顰めながらも、ジジイはまた頷いている。
俺のいぬ間に、仲良くなったようだ。
こうなれば多勢に無勢。俺に逆らう術は無い。
「家までな、中には入らねーぞ」
俺のその言葉に、柚稀とジジイは満足そうに顔を見合わせる。
くそ、全然楽しくない。




