安寧な休日
~side柚稀~
「さてと、何しますかね」
グルリと部屋を見回す。今日は私も龍也も休日だ。本当なら一緒にいなくてはいけないんだけど。
龍也は今日は模試だ。
よって私は、自由の身だ。久しぶりに一人で過ごせる。ああ、自由万歳。
優雅にお茶でもしながら、テレビかな。勉強してんだから静かにしろ、なんて言う龍也もいないし、遠慮なんてしてたまるか。
ウキウキ気分でリモコンを握る。その時だった。
ピンポーン
私の大事な休日は、破られた。
「やあ」
「……」
私は今、非常に迷惑している。している上に、困惑している。
玄関を開けると、そこには渡部豪太ーーーー義理の祖父がいた。
「えーと、龍也は今外出中で……帰ってきたら、伝えておきますね?」
「構わん。というより、今日はお前に用がある」
「はあ……」
豪太は勝手知りたる顔で、玄関の扉をこじ開けると中に入って来た。
「ちょっ、おじい様⁈」
私の声に耳を貸さず、リビングにあるソファに腰掛ける。
茶、緑茶が良いと偉そうに言ってくる豪太に、私は水を出した。
眉を顰められたが、仕方ない。お茶っ葉がどこにあるかなんて、龍也に訊いてくれ。
「で?何の用ですか」
向かいのソファに座り、尋ねる。豪太はブツブツ言いながらも水を一口飲み、真剣な顔をした。
「馬鹿孫と結婚して、どれくらいだ?」
「馬鹿孫って……3ヶ月ですけど」
早いもので、8月上旬。
汗が湧き出る湧き出る。この部屋はクーラーが大活躍中だ。
「うまくいってるのか」
「ええ、いってますけど……」
瀬田と食事をして、なんだか気まずい雰囲気が流れているけど。
それが、2週間ぐらい前。
でも、それ意外はいつも通り。仲良し夫婦だ。
「悪いが、龍也と別れてくれ」
はぁ。
私の休日は、始まったばかりだ。




