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出陣
投稿順番を間違えてしまったため、再投稿させていただきました。
1話前を確認していただけると幸いです。
お手数おかけしますが、よろしくお願いします。
〜side龍也〜
「お先失礼します」
今日は美羽と話し合う日だ。定時でキッチリあがる。
そんな俺を、衛が追いかけてきた、
「たーつやくん」
いかなり肩に腕を乗せてくる衛。
迷惑極まりないが、これがこいつの心配する態度。
振り払うことはしない。
「頑張って来いよ」
「分かってるよ」
「良いか、しっかり言うんだぞ。美羽のためにも、さ」
「……お前さ」
寄りかかってくる衛を、ジロリと見る。
「美羽のことになると、いきなり真摯な態度になるよな。まさかーーーー」
「バーカ」
パコリ。遠慮なく頭を叩かれる。
「美羽は、俺の妹みたいなもんなんだよ。かわいいかわいい妹が泣くなんて、優しい兄さんには耐えられないんだよ」
「……ふーん」
なんだよ、と衛が見てくる。
なんでも、と答える。
「じゃあ、行ってくるわ」
「おう、任せた」
衛はまあまあ人気があるのに、特定の女を作ろうとしない。
それは、美羽は不関係ではないと思う。
でも、そう言ったところで、衛は笑って受け流すだろう。
俺は、自分のためにも、衛のためにも、美羽のためにも……恐らくは、柚稀のためにも。
今日、しっかりと全てと向き合わなくてはいけない。
いざ、出陣。




