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婚約者
〜side美羽〜
『美羽、大きくなったら何になりたい?』
『うーんと、お母さん!』
『美羽、夢はまだ変わってないか?お母さんになるという』
『うん!』
『そうか。じゃあ、龍也くんを紹介しよう』
『龍也、くん?』
『未来の美羽の旦那さんだよ。政治家になってもらって、パパの後を継いでもらうんだ』
『美羽は、龍也くんのお嫁さん?』
『そうだよ』
『初めまして、美羽です』
『……龍也』
パチリ。
目が覚める。
何度も見た夢。
龍也さんの婚約者になることを、決められた夢。
この夢は、最近かなりの頻度で見る。
理由は分かっている。
龍也さんが、結婚したこと。
私の全く知らない人と、私の全く知らないところで。
あまりも突然すぎて、別れてから時間は経ったのにまだ実感が湧かない。
まだ、婚約者な気がして。
でも、今日。
「美羽、今日夜ご飯はいらないのよね?」
「うん、大丈夫。食べてくるから」
全てが分かる。
はっきりする。
今日は、龍也さんと久しぶりの食事。
どんな結果になるのかは、分からない。




