進化と新たなスキル
パッシブスキル「超直感」の名前を「全把握」と言う名前に変更しました。直し忘れがありましたら是非ご指摘下さい。
「う、ん……?」
目が覚めた俺は取り敢えず周囲を見回し、危険は無いと判断し、自分の状態を確認した。
「あ?なんだこの身体は……」
俺の身体は混沌竜とは明らかに違っており、鈍い銀色だった皮膚は輝きを増し、真の銀色となってた。
変化は他にもある。
先ず俺の体躯は15メートルから20メートルくらいに成長しており、伝説スキルの「神化」は解けているにも関わらず額には3本目の角が生えていた。
次に翼だ。
今までの俺は巨大な翼が一対二枚生えていただけだったが、今の俺はその巨大な翼に加え、その翼より一回り小さい翼が巨大な翼に従属するかのように生えていた。動かそうとしてみると問題無く動き、一応その翼だけでも飛ぶことが出来た。これに今まで使っていた翼を合わせるとかなりの速度で飛行する事が可能であろう。
最後の変化は瞳だ。
以前の瞳は黄金色だったが、今の俺の瞳は左目が白銀に輝き、右目が黄金に輝くオッドアイになっていた。と言っても見える景色が左右で違うと言う事は無いので問題無いだろう。
「あー……そう言えば意識を失う寸前に何か聞こえたな……覚醒がどうとか進化がどうとか……」
疑問に思ったのでステータスを確認してみる事にした。
ーーーーーーーーーー
Name: ガドウ(第1覚醒済)
Rece: 白銀竜 (魔人)
Legend:「神化」
Angel:「守護之天使」・・・New!
Devila:「憤怒之大悪魔」・・・New!
unique: 「白キ天雷ノ業」・・・New!
Special: 「弱肉強食」「竜化」「海竜化」「神魔眼」「超思考」「幻想魔法」
Skill: 「竜覇気」「豪腕」「影移動」「嵐魔法」「魔力転移」「闇魔法」「火魔法」「空力」「縮地」「瞬身」「振動」「崩貫」「毒生成」
Divin: 「ガリオンの寵愛」「竜神の加護」「麒麟の加護」
Gift: 「王種の種(芽生え)」「王種の証」「進化の苗木」「神種の種(芽生え)」「覚醒の書」・・・New!
ーーーーーーーーーー
「ふーん……やっぱり俺はまた進化したのか」
まぁ姿も変わってるし、漲る力も混沌竜の時とは比べ物にならないくらいになってるんだ。これで進化して無かったら逆に驚いてしまう。
しかしこの先の進化は相当厳しい物になりそうだ。何故なら強化された力が漆黒竜から暗黒竜、暗黒竜から混沌竜へと至った時とは比較にならない程であるからだ。
簡単な数字で表すと、今までの進化を10から20とすると、今回の進化は10から100のような感じだ。これ程強化される進化がこの先何度も今まで同様の速度で可能な筈がない。
「ま、いいか」
白銀竜となった今の俺のランクはトウテツと同程度だろう。
「あ、トウテツと言えば……」
俺はマジックポーチから死体となったトウテツを取り出した。どうでもいいけど今の俺は竜形態なため、小石サイズに見えるマジックポーチから自分と同じくらいの巨大な物体が出て来る様子は何とも不思議な感覚だ。
「頭は討伐した証拠に持って帰るとして……後は喰うか」
そう考えたところで俺の腹が鳴る。どうやらあの後からかなりの時間眠っていたらしく、その間は何も食べて無かったので腹が減るのも仕方ないだろう。よくその間襲われ無かったものだと思ったが、それは周囲を見渡す事で納得出来た。
ボロボロに崩れた壁に底が見えなくなった地面だった場所。そして辺りに満ちる俺とトウテツの魔力の残滓。これは確かにある程度知能のある魔物なら寄ってすら来ないだろう。そしてここは無限廻廊と言う最低でもSランク以上の魔物が生息している地。Sランク以上の魔物で知能の無い物など存在する筈も無く、結果としてこうして無事に目覚める事が出来たのだ。
「んじゃ、いただきますっと」
取り敢えず腹が減ってちゃ何も出来ないのでトウテツの肉を美味しくいただく事にした。勿論特殊スキル「弱肉強食」を発動させる事も忘れない。
『トウテツの捕食を確認しました。スキル【獣覇気】を獲得しました。スキル【魔力纏換】を獲得しました。特殊スキル【暴食】を獲得しました。
格上の存在の捕食を確認しました。特殊スキル【吸収】を獲得しました。パッシブスキル【魔力の泉】を獲得しました。
特殊スキル【暴食】、特殊スキル【吸収】の獲得した事により【暴食】と【吸収】が【弱肉強食】に統合されました。統合により悪魔スキル【暴食之大悪魔】を獲得しました』
「ん?何だ進化しても尚まだトウテツの方が格上だったのか」
感覚的にはトウテツと同程度の強さになったつもりだったが、どうやらトウテツには一歩及ばなかったようだ。まぁ多く見積もって後2〜3体程トウテツクラスの敵を喰らえばトウテツの格に追付けるだろう。
それよりも新たに獲得した能力の検証をするとしよう。
覚醒とか言うのも気になるけど、これについては生憎今は調べる術が無い。ギルドに戻って資料室でそれについての資料が無いか探してみようかと考えているので、それまでこれは置いておこう。
「それに、新たに獲得した悪魔スキルと天使スキルも気になるしな」
無理して今は分から無い物について調べるよりも、調べれば分かるだろう物について検証した方がよっぽど有意義だ。
「さて、と……」
脳裏に新たに獲得したスキルを浮かべ、神魔眼の解析能力を使いそれぞれの情報を読み取って行く。
ーーーーーーーーーー
守護之天使・・・天使スキル。発動させる事によりありとあらゆる魔法を無効化し、同時に自身の防御能力を大幅に上げる。
ーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーー
憤怒之大悪魔・・・悪魔スキル。
発動させる事によりあらゆる生物の精神に無理矢理干渉する事を可能とし、強力な精神干渉を行動を行える。同時に自身の攻撃能力も大幅に上げ、かつ敵対者の注意を自らに向ける。また、自身の感情によりその効力を高める。
ーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーー
暴食之大悪魔・・・悪魔スキル。
発動させる事によりどんな物であろうと捕食する事が可能とする。それにより捕食した対象の能力及びスキルを自らの物とする事を可能とし、捕食した存在によって能力を強化する事が出来る。また、捕食する事によって体力、魔力、傷を回復させる事が出来る。
ーーーーーーーーーー
「うわっ、強力な物ばっかりだ……」
先ず最初は初めて見る天使スキルとやらと悪魔スキルとやらの情報を確認してみたが、その性能は凄まじいとしか言えない。特に天使スキル「守護之天使」の性能は抜きん出てる。
「あらゆる魔法を無効化させ、自身の防御力まで上昇させる能力ってどう対処すればいいんだよ……」
守護之天使は今回獲得した能力の中では特に強力な物だろうが、だからと言って他のスキルも馬鹿に出来無い。
悪魔スキル「憤怒之大悪魔」。これの性能も凄まじい。精神に干渉する能力ってこれもどう対処すればいいのか分から無い。
精神に干渉されると言う事は無意識にも干渉されると言う事だ。正面からあからさまにやられるならまだしも無意識下に干渉されたらどんな生物だろうと対処出来る筈が無い。一見地味だが何とも凶悪な能力だ。ヒュドラから獲得した【幻想魔法】の超強化版とも言える。
そして最後の悪魔スキル「暴食之大悪魔」。
これは間違い無く「弱肉強食」の上位互換だ。世界の理曰く、「弱肉強食」に特殊スキルである「暴食」と「吸収」が統合されて出来たスキルがこれであり、説明にあった能力強化と回復効果はその二つが関わっているのだろう。
試しに発動させたままトウテツを食らってみたところ、確かに魔力が増えた感覚と肉体が強化された感覚があった。しかも【弱肉強食】の時よりずっと上昇効率が上がっている。しかし傷については生憎、自動再生で既に全て治癒されていたため検証する事が出来なかった。
いや、結構深い傷を付けてみても進化した事で効力が上がった自動再生で数秒と経たず回復しちゃうんだよ。これ即死以外では死ぬ事無いんじゃないかな?
「なんか色々とやばい能力を手に入れたみたいだが……まぁ強くなるって事は喜ばしい事だし、何時かヴェルムートを殺す時に絶望を与えられると考えればそう悪い事では無いか……」
取り敢えずこのスキル達に関しての考察はこの辺でいいだろう。後は実戦で試してみる事にして次のスキルに行こう。
ーーーーーーーーーー
魔力纏換・・・ノーマルスキル。
魔力を纏う際、魔力の性質を纏う事に適した物に変換してその効力を高める。
ーーーーーーーーーー
「獣覇気」は「竜覇気」と大して変わら無いので説明は省くとして、「魔力纏換」だ。これはノーマルスキルながら中々有用なスキルだ。特に魔力を纏う攻撃をメインに扱う俺のような戦闘スタイルの奴には下手な特殊スキルよりも有用な手立てとなる。
「ほう……これは良い」
試しにトウテツ戦でも使った嵐魔法を魔力纏換を使って纏ってみると、消費魔力が半分程にまで減り、かつ纏った際の性能と魔力の伝道効率が段違いに上がっていた。
「やっぱりスキル無しで無理矢理やるよりスキルを使って効率良くやる方が圧倒的に強力だな……これからはメインの攻撃方法としてこれを使って行こう」
魔力纏換の有用性に満足しつつ、次のスキルの検証へと移る。
「次は……固有スキル行くか」
俺は白銀竜となった時に獲得した固有スキル「白キ天雷ノ業」についての検証を行う事にした。
固有スキルは総じて強力な物が多い。混沌竜だった頃の固有スキル「混沌魔法」がその例だ。そしてこの「白キ天雷ノ業」もその例に漏れず強力な性能を秘めていた。
ーーーーーーーーーー
白キ天雷ノ業・・・固有スキル。
大気に干渉し雷、風、氷を自らの思い通りに操る事を可能とする。また、自らの魔力でそれらを出現させる事も可能となる。
ーーーーーーーーーー
これは自然に干渉して扱う分には魔力を必要としない。それだけで十分な性能なのだが、それに加えて自らの魔力でもそれらを出現さる事を可能とすると言う効果を考えると、その性能は計り知れ無い。
一見、何もかも問答無用で消滅させる混沌魔法の方が有用かと思えるが、混沌魔法の発動には普通の魔法の何倍もの膨大な魔力を必要とし、かつ感知能力の高い者が相手なら魔法の準備に入った段階で気付かれると言う事もある。それらのデメリットを踏まえてもかなり強力なスキルだった事には代わり無いが。
しかしこの白キ天雷ノ業は違う。
確かに殺傷能力は混沌魔法と比べて格段に落ちたが、それでも特SS級の魔物すら一瞬で殺せるだけの威力を秘めており、それだけの攻撃を魔力の使用を必要とせずに発動出来ると言う強みがある。それに自らの魔力を使う場合でも混沌魔法の半分程度の魔力で使用を可能とするこのスキルは途轍もなく便利な物だと思える。
「やっぱり固有スキルはその種族しか使えないとあって他のスキルより抜きん出ているな……いや、悪魔スキルや天使スキルよりは劣るか……」
まぁ種族固有のスキルとは言え、悪魔スキルや天使スキルを引き合いに出すのは間違っているか。さて、最後の検証へ行こう。
「最後は……これか……」
伝説スキル「神化」。
今回獲得した能力で間違い無く一番強力なこのスキル。戦闘で使ったとは言えあの時は全てを感覚に任せていたため殆どよく分からないと言うのが現状だ。
「能力強化系のスキルだと言う事は分かるんだが……」
まぁ、ここで無駄に考えても結果が出る訳では無いし取り敢えず神魔眼の解析能力を使って確認するとしよう。
ーーーーーーーーーー
神化・・・伝説スキル。
発動させる事で一時的に自身を神種へと昇華させる。一部能力封印状態(開放値5%)。
ーーーーーーーーーー
……結果よく分かりませんでした。
取り敢えず分かった事を纏めるとこのスキルは一時的に俺を神種とやらまでに昇華させる事が可能であり、しかしまだ本領を発揮出来ていないと言う事。と言うか能力の5%しか扱えていないのにあの性能なのか……これは本当使い方を間違えられ無いな……。
「取り敢えず帰ったらこのスキルの事と封印を解除する方法も探さないとな……」
やる事が多くて嫌になって来るが、これも全ては目的の為と思ってやるしか無い。
「それに神になると言う事が今の所の最終目標である事を考えれば、このスキルはありがたいかもな」
一先ずそう納得し、面倒事に対するモチベーションを下げないように自分に言い聞かせ、なら早く帰ろうかなと立ち上がる。
「出来ればここをもう少し散策したいんだが……まぁそれは今度でいいか」
余談だが帰り道で魔物の遭遇する事は無かった。出来れば一体や二体くらい新しい魔物を喰らいたかったのだが残念だ。
***
俺は来た道を来た時の倍の速度で進み、ほんの一時間足らずで無限廻廊の出口へと辿り着いた。こう考えるとトウテツとの戦闘はかなり入り口に近い場所で行われていたのだろう。外に被害が出なくて何よりだ。
「む?真っ暗だな。俺ってあの後何時間寝てたんだ?」
無限廻廊を出ると外は既に夜の帳が落ちており、真っ暗な闇が永遠と続いていた。
俺は人間と違い夜目がよく効くのでこんな真っ暗でも困るような事は特に無いので、このまま帰ろうと思えば問題無く帰れるのだが、よく考えたらそこまで急ぐ事では無いしここで夜を明かす事にした。
「さて、そう考えると今の竜化状態だといささか不便だな」
白銀竜のままでも心地良く眠れ無いと言う事は無いが、やはり魔人の姿の方が小さい為眠り易いと言う事もある。と言う事で竜化を解いて寝る事にした。
「ふぁ〜あ……やばい、さっきまで寝てたはずなのに思ってた以上に眠い……」
竜化を解いた俺は数秒と保たず睡魔に負け、意識を闇に落として行く。だがその時俺は気付け無かった。
「………」
自分を観察している存在がいた事に……。
ーーーーーーーーーー
Name: ガドウ(第1覚醒済)
Rece: 白銀竜 (魔人)
Angel:「守護之天使」
Devila:「憤怒之大悪魔」「暴食之大悪魔」・・・New!
Legend:「神化」
unique: 「白キ天雷ノ業」
Special: 「「竜化」「海竜化」「神魔眼」「超思考」「幻想魔法」
Skill: 「竜覇気」「獣覇気」・・・New!「豪腕」「影移動」「嵐魔法」「魔力転移」「闇魔法」「火魔法」「空力」「縮地」「瞬身」「振動」「崩貫」「毒生成」「魔力纏換」・・・New!
Divin: 「ガリオンの寵愛」「竜神の加護」「麒麟の加護」
Gift: 「王種の種(芽生え)」「王種の証」「進化の苗木」「神種の種(芽生え)」「覚醒の書(第1覚醒済)」
ーーーーーーーーーー
Passive: 「全把握」「全域移動」「超感覚」「能力加速」「生命上昇」「自動再生」「魔力の泉」・・・New!
パッシブスキル「魔力の泉」の説明が無いのはミスではありません。この事については次回に説明する予定です。(流れによっては予定の変更有り)




