プロローグ2
月日は流れ、あの幼い幼竜は成長して今は体長2メートル程の小竜にまでなっていた。
「まてー!」
ガドウと名付けられた小竜は目の前を走る兎のような生物を楽しそうに追い掛けていた。
「余り遠くに行くなよガドウ?」
その後ろを体長15メートル程のドラゴン、ガドウの父に当たるドラゴン、ガリオンが優し気な声音で声を掛ける。
この世界では名を持つと言う事はそれだけでアドバンテージになる。
この世界では特に名や特殊スキルを持たない魔物達をノーマルモンスター。
ガドウやガリオンのような名を持つ魔物達を名持ち(ネームド)モンスター。
他の者が持たない特殊な能力を持つ魔物を特殊モンスターと呼ぶ。
名持ち(ネームド)モンスターと特殊モンスターは総じて強力な力を持つ。ガリオンもノーマルモンスターから名持ち(ネームド)モンスターになった際、強大な力を手に入れた。
まだ小竜の為まだまだ弱いが、名持ち(ネームド)モンスターのガドウも成長するればガリオンに勝るとも劣らない力を手に入れられるだろう。
「つかまえたー!」
ガドウが遂に追い掛けていた兎のような生物を捕まえて、成長した事により頑丈となった鋭い牙を食い込ませて獲物息の根を止めた。
「やったぁ!ちちうえ、ぼくはじめてひとりでえものをつかまえたよ!」
「おお、偉いぞーガドウ。成長したな!」
「うん!ぼくはやくちちうえのようにつよくなりたい!」
まだ舌足らずではあるが必死にガリオンに褒めてと訴えるガドウ。
だが先程言った通り、ガドウは今日初めて獲物を捕らえた。そんなところからもガドウが成長したと言う事が分かる。
「じゃあそいつはガドウが食べなさい。それが獲物を取った者の特権だからな」
「えっ!いいの⁉︎やったぁ!ちちうえありがとう!」
ガドウの元気な声に親馬鹿全開の笑みを見せるガリオン。
ガドウは自分で捕まえた兎のような生物に思いっきりかぶりつき、初の獲物を心から堪能する。
こうしてガドウは少しずつ成長して行くのであった。
しかし平和な日常は長くは続かない。この数日後、親子を引き裂くあの事件が起きた。
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Name: ガドウ
Race: 漆黒竜
Special: 無し
Skill: 無し
Diving: 「ガリオンの寵愛」
Gift: 無し
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