表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

第三夢、悪いのは

 それから少しして、一限の授業が始まった。


 これで、やっと二人の悪乗りの無限ループから抜けられる。


 私はそう思い、完全に安心しきっていた。



 だが、ここで再び携帯が鳴るのである。



 ――ヴーヴー ヴーヴー


 私は鞄の中から暴れる携帯を取り出し、画面を見た。


 すると、再び智哉君からのメールであった。



 「紫蘭へ

  授業中に、ごめんな。

  見る映画なんだけど、何が良い?」



 そんな簡単な内容だったが、二人は黙ってはくれなかった。


梓「おぉっ!?」

 「今度は智哉君なんだって?」

 「別れたいって??ww ウケルwww」


美優「違うでしょw」

  「どうせ、たまには外でヤラないか?じゃないww」


私「どっちも違うよ・・・」

 「残念でしたねっ・・・!!」


 私は二人を気にしないことにし、返信を始めた。



 「智哉君へ

  私は何でもいいから、

  智哉君に任せるよ♪」



 そう返信しておいた。











 それから、しばらくして、智哉君から返信が来て、見る映画が決定した。
























 あーーー、 あーーーー、 あーーーーー!!!


 楽しみだっ! 楽しみすぎて、口から心臓が飛び出しそう☆彡


 ヤバい! ヤヴァイ!!  ヤヴァぁああああい!!!


 心臓がバックバック鳴ッテルww ダメだ、死んじゃいそう☆彡



 だって、“ユメカレ”である智哉君と、


 夢の中でしか触れ合えなかった智哉君と、リアルデートするんだよ?


 すごいでしょ?すごいっしょww?   ありえんでしょ?ウケルでしょww




 あーー、 あーーーーー、 あーーーーーーー!!!


 は・や・く・が・っ・こ・う・お・わ・ら・な・い・か・な・?




 私は授業中、そんなことばかり考えていた。



 すると、休み時間になり、例の二人組が私の所にやってくるのである。



美優「何々?」

  「『この世には“幸せ”しかない』みたいなその顔ww」

  「羨ましすぎて、本トにもう殴り飛ばしたい勢い!!」


梓「でも、そんなことしたら愛しの智哉様(・・・・・・)が黙っちゃいないっ!!」

 「「テメェ、俺の女に手を出すたァい度胸してんなァ!?」ってな感じでww」


美優「あーーー、うっざっ!!」

  「あーーー、私も幸せになりたいっ!!」


梓「じゃあ、私達、一緒に し・あ・わ・せ になっちゃう?」


美優「梓・・・あんた・・・」


梓「うん、あたし・・・美優ちゃんのことが・・・」


美優「梓・・・実はね? あたしも・・・」


私「はいはい、そういうのは余所でやって!!」


梓/美優「えーいいじゃんっ!」


美優「いくら智哉君が待ち遠しいからって、私達を遠ざけるのは良くないよ?」


梓「それか、そんなに・・・私達のこと嫌い?」

 「こんなにも私は紫蘭のことを好きで・・・大好きでいるのに・・・」











 メンドクサっ!! 超メンドっっ!! あーメンドぉ!!



 なんでこの二人はこんなにも面倒なの??


 ――私はそのままの想いを二人にぶつけた。


私「私は、今あんた達のおふざけに付き合ってる暇はないの!」

 「だから、シッシ!! あっち行っててよ!!  じゃーまっ!」


 すると、困ったことに、梓が泣き始めるのである。


梓「ふぇっ、えっ、あぅ、、、わぁあああーーー、 紫蘭なんて大っ嫌いだっ!!!」

 「わっ、わたしはただ!! 私はただ、紫蘭が彼氏とばっか仲良くするから、その寂しさを紛らわせたかっただけなのに・・・だけなのに、なんでそんな風に怒るの?」

 「そんなに私が嫌い? ねぇ!嫌いなんでしょ?」

 「どうせ、紫蘭が私のことを嫌ってるって!嫌ってるってことは知ってたけど!!」

 「だけど、面と向かってそんなこと言わなくたっていいじゃんっ!!!」

 「そんなに私を・・・わたしを・・・わたっ・・・わぁああああ!!!」



 ――そして、梓はどこかに走り去っていった。



美優「あぁー、やっちゃった・・・」

  「紫蘭・・・あんたどうすんの?」

  「梓がああなっちゃったら、もうどうしようもないよ?」

  「ほら、早く追いかけて慰めてあげないと、取り返しつかないよ?」



――そんなことは知っている。


――けれども、本当に悪いのは、果たして私の方なのか? そうなのか?


――それを全国民の人に訊いてみたいと思うのは、果たして私だけなのか?



――わからない・・・。 だけど、とりあえず梓に謝るために私は走り出した。

















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ