勢力図
巨大な要塞を初めて見てから、10年の月日が流れた。
あの日要塞に乗って現れたのは文字通り異星人だった。
この宇宙のどこかにあった星々の連合のようなモノらしく、宇宙の収縮の為に、自分たちの星を失った者たちの集まりだった。
その為見た目は多種多様で、統一性がないなと、子供ながらにあの時は思った記憶がある。
しかし、あの日に起きた事件はそれだけではなかった。
ワープゾーンと言えば伝わるだろうか?
人1人通れるサイズのそれが、地上の数箇所に現れたのだ。
そしてそこを通りこちら側に来たのが、異世界人と現在呼ばれている存在だ。
彼らはエルフ、ドワーフ、フェアリー、ウィッチ、ビーストなど種族は複数に分かれているが、見た目は人間に近い姿をしていた。
そしてさらにもう一つの勢力も同時に姿を現した。
魔族。
目撃者の話では、元々大きな山のあった場所が一瞬で陥没し、クレーターになったかと思えばそこから黒い煙、今では闇と表現しているものが溢れ出て、クレーターを器のように満たしたと言う。
そしてクレーターから溢れ出た闇が姿を変え、おどろおどろしい見た目の魔族となり人類を襲い出した。
周辺にあった都市や施設は一夜で滅ぼされ、人類はその周辺からの撤退を余儀なくされた。
それから数年が経ち、人類は異星人と異世界人と同盟を結び、魔族と敵対し戦争状態にあった。
と言ってもほとんどこの前まで、冷戦の様相を呈していた。
理由は魔族が自らの領土を広げてこなくなったのだ。
つまり攻めるのをやめ守りに徹し出した。
するとどうだろう。
魔族の情報が少ないこちら側は攻めあぐねることになった。
そんな緊張状態が崩れたのが一月前。
AIの反乱が起きたのだ。
人類が作り出した化学の結晶AI。
彼らが反乱を起こし、生命体としての地位を確立すべく行動を起こした。
AIの開発研究を最先端で行っていた施設を中心に擬態を使い、その地域一帯にAIは拠点を作った。
さらに人類のAIによって管理されていたシステムは、ほとんど使うことができなくなった。正確言えば乗っ取られたのだ。
でもAIも一枚岩ではなかったようで、人類側に残ったAIもいる。
正直AI、つまり人工知能がどれぐらい今いるのか、そして増えているのか減っているのか、全体の数を把握できている人間がどれだけいるのかすら分からない。
ただ少なくとも俺には、AIほど人類の情報を持っている存在を知らない。
少数でも、なんなら一つでも人類の全ては丸裸にできるほどだろう。
それが敵に回ったのだ。
魔族が見逃すはずがない。
AI反乱の数時間後、魔族は再び領土の拡大を開始した。
そして現在23になった俺は戦争に赴くことになる。
神から与えられた力を使い。




