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この星の記憶  作者: 神常神


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12/18

仲間割れ、仲間は誰?

「僕1人でやれって言うんですか?」

「ああ。お前は敵の居場所を知っているんだろ?きっと攻撃方法も知っている。違うか?」

「だからみんなでやろうって―」

「ああ、俺たちは後方から援護してやる。α、お前には先陣を任せる。行け」

「そんな」


無茶苦茶だ!


「初めての戦場なんですよ!」

「ちゃんと後方から助けると言っている」

「ふざけ―」


ドゴオオオオオォォォン!


また車内の激しい揺れに皆バランスを崩す。


「時間がないぞ。バリアはあと一発もつかもたないか分からない」


無症状にも近い彼の顔に、体が熱くなり握った掌に爪が食い込むのを感じた。

この分からず屋が!


「もういいです。分かりました」


僕は銃を手に後方のドアに向かい、近くの壁のボタンに手を掛ける。


「カイルさん。僕もあなたのことは信用してません」


ボタンを押すと、ドアはシャッターのように上にスライドした。

僕は煮えたぎる思いに身を任せ、全力で飛び出す。

こないだと同じ場所なら。

そう思い視線を高くする。

いないか?

あえて入り口の方に走りつつ、そのまま廊下をなぞるように視線を移していく。

……いた!

6階の逆サイド!

一気に踵を返し跳躍する。

この勢いなら、届く。

矢のように一直線に飛んだ僕は、6階の落下防止用の手すりを掴みスピードを殺す。

綺麗に着地。と同時に一気に敵に踏み込む。


「ふみゃふ―」


僕の動きに一歩遅れたソレを、思いっきり体重の乗った右ストレートで、壁まで吹っ飛ばす。

そのまま壁にめり込んだソレに、銃を乱射する。

スーツを着ていないため、弾の大きさは調整できないが、代わりに反動が少なく狙いが定めやすい感じだった。

しかしピンポン球ぐらいの大きさの弾では、こいつを殺すことはおろか、体の一部すら吹き飛ばせないだろう。

それでも僕は頭と胴体を中心に、エネルギー弾で化け物を壁に磔にし続けた。

考えろ、考えるんだ!

どうすれば倒せる!?

そんな最中度重なる衝撃に耐えれなかったのか、化け物を磔にしていた壁が崩れ、部屋の中が露わになった。

と同時に化け物も部屋の中に倒れたため、当たる的を失ったエネルギー弾を、撃つのをやめる。

急な静寂。

普通の生き物なら絶対に死んでいる。

でもコイツはバラバラに吹き飛ばされても死なない。

本当に不死身なのか?

それともカラクリがあるのか?

崩れた壁の奥。

ここからでは足先だけしか確認できない。一歩二歩とゆっくり、銃口を向けながら距離を詰める。

しまった。やられた。

足先だけ残して他が消えている!

どこに―。


「ざんねん」


背後。

凍った背筋を無理やり動かし振り向く。

すると化け物はこちらに手を構え、手先にはエネルギーが溜まっているのを確認できた。


「ふみゃふみゃってか〜?」

「あ」


死ぬ。

だが気付く。

勢いよく廊下を走ってくる音に。

化け物もその音に反応し、後ろを振り向く。

次の瞬間、その顔を片手で勢いよく掴み倒し、廊下に叩きつける。

シュウ君!


「むみゃ!」

「燃えろ、化け物」


彼の手と化け物の顔の間に炎が生まれ、一気に化け物の頭を燃やしていく。


「むみゃああああああ!」


化け物は暴れ叫び、シュウ君を吹っ飛ばす。

そして自らの手で燃える頭を撃ち吹っ飛ばし、壁、天井と伝い上の階へ頭から下は消えていった。


「シュウ君!」


慌てて駆け寄る。


「大丈夫だ。ちょっと壁で頭打ったくらいだ。それよりお前の方こそ大丈夫か?」

「僕は大丈夫だよ」


僕は彼に手を差し出す。


「助けに来てくれてありがとう」

「ああ。仲間だからな」


彼が僕の手を握った瞬間、嫌な声が聞こえた。


「許さないぞー」


シュウ君がさっき走ってきた廊下の奥。

階段を律儀に下りてきた化け物。

表情は相変わらず虚空を見つめ、にっこりとしているが、さっきの声には間違いなく怒りがこもっていた。


「お前、怒ってんの?」

「お前じゃない。スラリムだ」


スラリム?この化け物の名前か。


「怒ってんじゃない。ふみゃってんだ」

「いや、つまり怒ってんじゃん」


引き起こしたシュウ君は、どこかニヤついていた。


「ねぇ、シュウ君」


僕は小声でシュウ君に喋りかける。


「僕はアイツ、火に弱いんじゃないかと思うんだ」

「ああ、俺もそう思う。生き物である以上火は基本天敵だ。あのスライムって野郎も、さっきの反応からして効果ありだ」


名前間違えてるなと思いつつもツッコまず、手を構えて攻撃準備に入った奴に対し策を捻り出す。


「掴むよ」

「え?」


僕はシュウ君の腰に手を回し、片手で抱える。


「死ね」


奴の手から大きな玉が発射された。

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