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第5話: オルミル

イーサンはオルミルへ旅立つ。新しい未来を求め、街の喧騒に飛び込むが、仕事探しは困難を極める。一人、夜の街で彼は何を見つけるのか?

第5話: オルミル


数日が過ぎ、新しい未来への旅立ちが近づいた。アンドレの準備を手伝い、新たなことを学んだ。次の市での販売のために動物をさばくのも含まれる。グロテスクな作業で、好きじゃなかった。


準備が終わり、商品を布で包み、箱に詰めた。肉の保存に疑問があったが、塩をたっぷり使うとよく保つと知った。燻製や乾燥も役立つ。


数日の準備後、ついにその時が来た。日の出前、馬と荷車が整い、村人たちが見送りに集まった。俺を泊めてくれたアンドレもいた。


「準備万端だ、若者たち。良い旅を。」 かすかな笑顔でアンドレが別れを告げた。


この気持ちをどう表現すればいい? 一言なら「悲しみ」。未来はわからないが、うまくいけばまた会いたい。


リマラとダレルが言葉を交わした。少し離れていたが、短い会話がかすかに聞こえた。


「気をつけて、道で気を散らすな。最近、街道に盗賊が増えてる。」


「わかってるよ、心配すんな。」


いつものように、ダレルは軽く受け流した。どう考えてるかわからない。とにかく、道で何も起きなきゃいいけど。リマラの警告で神経質になった。


朝の冷たい風が唸り、巨大な岩山の間に太陽が昇り、風景を鮮やかなオレンジに染めた。


荷車に登り、鉄の手すりに足をかけ、勢いで飛び乗った。


ダレルが前に座り、馬の手綱を握った。


出発前、アンドレが止めた。


「イーサン、行く前に渡したいものがある。」


不思議に思い、荷車から体を半分出して応じた。


「何だ?」


「これを。」 手を差し出し、アンドレが物を見せた。「着いたら役立つといいな。」


銀色の硬貨が五枚。これがこの世界の金だ。初めて見た。金の管理を学ばなきゃ。前世の過ちを繰り返したくない。


でも、疑問が湧いた。この額で数日生きられるか? 街の物価がわからない。


まぁ、近いうちにわかる。せめて数日の食費に足りればいい。


「ありがとう。本当に助かる。」


それで旅を始めた。村から離れると、近隣からの励ましの声、特にリマラの声が聞こえた。


⚔──────────────────◊◊◊──────────────────⚔


数時間が過ぎ、太陽が空の頂点に達した。


景色は夢のようだ。雑誌やテレビで見た風景が、鮮やかに目の前に広がる。道では同じ目的地に向かう商人や、別の場所へ向かう者とすれ違った。ダレルは知り合いに会うと荷車を遅らせ、話した。俺は紹介される以外、口を出さなかった。


荷車の後ろに座り、広大な谷や丘を眺めるのが唯一の娯楽だった。


ポケットからアンドレがくれた硬貨を取り出し、詳しく見た。前の世界の25セント硬貨と同じくらいの大きさ。驚くほど精巧で、長い髭と禿げ頭の老人の横顔が刻まれていた。


大統領か? いや、この国の王様か?


どの大陸にいるかも知る必要がある。やるべきことが多すぎて、気が滅入る。


「腹減った。なんか食うために止めようぜ。」


ダレルが心を読んだみたいだ。


荷車を脇に寄せ、小川の近くで止まった。ダレルが馬に餌と水を与え、俺は荷物を下ろした。


「おい、そのバケツで水汲んできて。」


旅を長引かせたくなかった。こいつと長くいるのは耐えられない。


数分後、小川から戻ると、ダレルが焚き火を起こし、即席のグリルを用意していた。いつもみたいに何もしないと思ったが、違った。


肉を洗い、香草やスパイスで調味した。リマラの料理よりいい匂い。こいつ、隠れた才能があるのか?


草の上に座り、食べ始めた。いつも通り、無言で、咀嚼音だけが響く。数分後、ダレルが話しかけ、むせそうになった。


「おい、リマラとママのことで話したの、知ってるぞ。」


「聞いてたのか?」


「聞こえないわけない。老父さん以外なら誰でも聞こえた。」


何て言えばいいかわからず、黙って食べ続けた。話題を忘れて欲しかったが、無理だった。


「家族のことを他人に話すなよ。」 眉をひそめた。


「慰めたかっただけだ。悪いことしてない。」 肉を飲み込んだ。


「余計なことすんな。」


「落ち着けよ、ガキ。リマラが話したかったのは、寂しいからだ。わかるか?」


彼の眉が曲がり、表情が暗くなった。食べのを止め、長い間黙った。旅が気まずくなるのは嫌だったから、謝ろうとした。リマラが母のことでまだ傷ついてるのを説明した。


ダレルは知らなかったか、無視してたみたいだ。


とにかく、言葉を選んだ。彼はため息をつき、急いで食べ始めた。


予想通り、俺より早く食べ終わり、容器を洗うため小川へ向かった。


去る前、驚くことを言った。


「こんな態度で、悪かった。」 視線を逸らして呟いた。


「いいよ。いつも突っ走るなよ。」


信じられない。謝るなんて。あいつの性格じゃ無理だと思ってた。


まぁ、悪くない結果だ。リマラの話で考え込んだようだ。彼女への態度が良くなればいい。


片づけて旅を再開した。太陽が沈み、空が赤黄色に染まった。


*神よ! あとどれくらいだ!?* 心で叫んだ。


もう必死だ。夜が近いのに、街の気配がない。前世はクソだったが、地下鉄が恋しい…


「おい、いつ着くんだ?」


「明日の夜、かな。」


キリストよ、もう一日何もしないで雲を眺めるのか。


数時間後、道端でテントを張った。周りは森と巨大な山のシルエット。太陽は消え、曇り空で月の光が雲の裏から薄く照らす。


前の食事と同じものを食べ、くだらない話で時間を潰した。面白くしようと、携帯を見せた。


ダレルは動くのを見て驚き、誰が作ったか、値段は何かと質問攻め。答えられず、適当にごまかした。


前の街の写真を見せ、驚いていた。最後は好きなアルバムを流した。


携帯の曲の中で、ロックンロールに傾倒した。俺の世界なら熱烈なファンだろ。性格にも合う。


誰にも言わないと約束させた。信じられなくても。


寝る前、ダレルが言った。街で何も見つからなかったら、携帯を売れと。莫大な金になるって。失敗したら考えるが、そこまでしたくない。


⚔──────────────────◊◊◊──────────────────⚔


夢の中で声が呼んだ。ダレルの叫び声で目覚め、遠くに白い石の壁と外側の小さな家が見えた。


他のキャラバンと共に正門に近づき、黒い服と金属の鎧の警官に検査された。あの格好に違和感。傲慢な態度がなければ、笑いものだ。


登録を済ませ、石のアーチをくぐり、街の中心へ入った。


人や荷車の流れ、石畳の道、店で価格を議論する人々。剣を腰に下げ、防御装備を着た人が歩く。まるで物語の世界だ。


ダレルが道端で止まった。俺は荷車から降り、胃がキリキリした。


「じゃあ、ここで別れだ。」 唇を歪めて言った。


「うん…」


周りを見回し、次を考えた。


「おい、何も見つからなかったら、うちに戻ってこい。膝ついて頼めば、父さんに住まわせてくれって言うぜ。」 歯を見せて笑った。


「優しいな。」


少し笑い、別れた。ダレルが馬車と建物の中に消えるのを見た。


大きく息を吸い、吐いた。望む未来への第一歩を踏み出す時だ。


歩き出し、街の風景に興奮した。店のショーケースを覗き、誇らしげに装備を着る人々を羨んだ。


なぜそんな服かはわからない。いずれわかるだろう。


頭を振った。腹の鳴る音で目的を思い出した。


ハンターズギルドへ向かった。昨日、ダレルに仕事の探し方を聞いた。ギルドが一番いいって。でも、詳しくは知らないって。


まあ、今は関係ない。


道を聞いて、目的地に着いた。英雄的な石像の噴水近くに、煉瓦と木の柱の大きな建物。


まだ開いてた。


中はもっと魅力的。人のざわめき、老木と焦げた料理の匂い、鎧の音。入口をくぐると好奇の目。無視して進んだ。


カウンターに近づくと、笑顔の女が静かに見つめた。


喉を鳴らした。


「こんばんは。ここで仕事が見つかると聞いた。」


「え?」 彼女は首を傾げた。


「うん…友達が、ここで仕事の情報があるって…」


「あ、了解! ちょっと待って。」


彼女は棚の間に消えた。待つ間、壁の奇妙な飾りや豪華なシャンデリアを眺めた。


掲示板をチェックする一団に目が行った。俺も見ようとしたが、女が戻ってきた。


「待たせてごめん。これだけしかないわ。」


「大丈夫。ありがとう。」


近くのスツールに座り、書類を見た。アンドレの家で驚いたのは、この世界の言語を話し、文字も読めること。なぜか考えても答えが出ない。受け入れるだけだ。


書類を読み、どの仕事にも資格がないと気づいた。知らない職種も多い。


*錬金術師って何だよ?* と思った。


文字を追うほど、希望が落ちた。何も見つからない気がした。店を回って仕事乞いをするしか思いつかなかった。


だが、トンネルの先に光。レストランのウェイター募集の広告。経験が必要とあるが、試したかった。ダメなら雇い主に頼み込む。


受付に戻り、住所を聞いた。すぐに出発した。


街を歩く中、奇妙な感覚。よそ者の視線。前の世界なら普通の服だが、ここでは浮く。


だぶだぶのズボンと革のブーツの人々を見て、確信した。古いジーンズと作業ブーツの俺は場違いだ。


ため息をついた。


*なんでバカどもの考えが気になる?*


昔の癖で、携帯で時間を確認。時間が同じかわからないが、画面だと深夜過ぎ。目に見えるのはそれと一致。


通りは人が少なく、鎧の警官が巡回。幸い、気にされなかった。


足が痛み、腹が焼けるように空腹。やっとレストランに着いたが、閉まっていた。


暗闇で看板を読み、「壊れた車輪」。店の名前は好きにすればいい。


頭をかいた。寝る場所が必要だ。もっと大事なのは、腹を満たすこと。引き返し、最初の硬貨を使える場所を探した。


だいぶ歩いたが、何も開いてない。仕方なくレストランに戻った。近くに石のベンチがある公園を見つけていた。


近づき、冷たい表面に倒れ込んだ。路上で寝たのはいつ以来か。


「寒いな…」


吐息が白く変わり、目を閉じ、頭の後ろで腕を組んで楽にした。


明日が良くなるのを待つだけだ。

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